栁澤貴彦「Phantascape」

　OIL by 美術手帖ギャラリー（渋谷PARCO 2階）で、栁澤貴彦による個展「Phantascape」が開催される。アートのECプラットフォーム「OIL」が企画するリアル展示シリーズの一環である。

　栁澤貴彦は1987年神奈川県生まれ。2015年桑沢デザイン研究所を卒業し、現在は東京を拠点に活動している。主な個展に「Pantascape」（東葛西1-11-6 A倉庫、東京、2025）、「Phantactal」（SOM GALLERY、東京、2025）、「INSIDE AND OUT」（スタジオ35分、東京、2022）など。グループ展に「INTERVERSE」（SOM GALLERY、東京、2023）、「FACE展2023」（SOMPO美術館、東京、2023）、「四次元を探しに-ダリから現代へ-」（諸橋近代美術館、福島、2019）などがある。「FACE展2023」では藪前知子審査員特別賞を受賞している。

　栁澤は、風景写真やインターネット上の画像、複数のイメージをレイヤーとして重ねた風景画、そこから派生したセラミックの立体作品を制作している。自身の手でコントロールしながら進めていける風景画を制作するいっぽうで、セラミック作品においては、自分では制御できない釉薬による作品の表情を「景色」として捉える。

　本展は、10月19日まで東葛西1-11-6 A倉庫で開催された個展の巡回展となる。「ここにはない景色」という意味を込め、PhantomとScapeを掛け合わせた造語「Phantascape」と題し、さまざまなイメージを還元し「景色」に戻すことを試みる。