Ceysson & Bénétière Tokyo

　Ceysson & Bénétière Tokyoは、2025年5月に東京・銀座にてオープン。Ceysson & Bénétière（セイソン＆ベネティエール）は、2006年にフランス・サン＝テティエンヌで設立され、欧米各地に拠点を広げてきた現代美術ギャラリーであり、これまでにパリ、リヨン、ルクセンブルク、ニューヨーク、ジュネーヴなどにスペースを構えてきた。Ceysson & Bénétière Tokyoは、アジア初の拠点となる。

　同ギャラリーにとって8番目のスペースとなる東京拠点は、2023年に竣工した銀座のCuraビル8階に位置し、総面積は325平米。建築家ソフィー・ドリエスの設計により、自然素材をふんだんに用いつつ、従来のホワイト・キューブとは異なる空間が構築された。

　スペースの内装は、日本の侘び寂びの美学や高度な工芸技術に着想を得ており、来場者に静謐で洗練された体験を提供する。床には温かみのあるイロコ木材が敷き詰められ、入口では重厚なコルテン鋼のアーチが空間への導入部として機能する。ビューイングルームには、フランスで製作されたオリジナル家具や照明器具が配され、特注のソファ「Croissant」は、日本でも親しまれているクロワッサンをモチーフとしている。

　さらに、苔や鉱物をモチーフとしたカーペット「Meteor」、張り子で制作された温かな光を放つシャンデリア「Glow Chandeliers」、麻布によるガラス面の演出など、空間全体に手仕事の要素が織り込まれた空間がひろがる。

　併設された書店は、日本の職人が手がけた楕円形の木製構造で構成されており、紙媒体の作品や書籍を引き立てる設計となっている。