2026.5.5

首都圏から日帰りで行けるアートスポット:箱根編

首都圏から気軽に日帰りで行けるアートスポットを紹介。今回は神奈川・箱根のおすすめアートスポットをまとめました。 ※5月7日24時まですべての方に全文お読みいただけます

「SPRING わきあがる鼓動」展(ポーラ美術館)展示風景より、大巻伸嗣《Liminal Air Space-Time》(2025)
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ポーラ美術館

  「箱根の自然と美術の共生」をコンセプトに、箱根の国立公園にとけこむように存在するポーラ美術館。約1万点以上のコレクションはモネ、ピカソ、藤田嗣治などの西洋絵画、日本の洋画、日本画、版画、東洋陶磁、ガラス工芸、古今東西の化粧道具など、多岐にわたる。近年は、現代美術のコレクションも充実。屈指の収蔵品を誇る私立美術館となっている。

ポーラ美術館のサインタワーとアプローチブリッジ

 ポーラ美術館の魅力はレストランやカフェなどにもあらわれる。「レストラン アレイ」は白を基調としたインテリアが印象的なレストラン。窓の外に広がる小塚山を眺望しながら、季節感あふれる欧風料理を楽しむことができる。また、「カフェ チューン」はガラスから自然の光がふりそそぐ明るく清々しいカフェだ。

展示風景より、右は杉本博司《富士図屏風、大観山》(2024)

 同館では5月31日まで、開館以来初めて「箱根」という土地そのものに焦点を当て、その風土や記憶を出発点に、江戸時代から現代に至る美術表現を横断的に紹介する試み「SPRING わきあがる鼓動」展が開催中。

住所:神奈川県足柄下郡箱根町仙石原小塚山1285 ポーラ美術館
電話番号:0460-84-2111
開館時間:9:00~17:00 ※入館は閉館30分前まで
料金:大人 2200円 / 大学・高校生 1700円 / 障害者手帳をお持ちの方および付添者1名まで 1100円 / 中学生以下 無料

彫刻の森美術館

 大自然を生かして1969年に開館した彫刻の森美術館は、国内ではじめての野外美術館(オープンエアーミュージアム)だ。箱根の山々が望める緑豊かな屋外展示場には、ヘンリー・ムーア、オーギュスト・ロダン、岡本太郎の近現代を代表する彫刻家の名作約120点が常設展示されている。また、世界有数のコレクション319点を順次公開しているピカソ館をはじめ、室内展示場や天然温泉の足湯もあり、作品を楽しみながらゆったりと過ごすことができる。

屋外に様々な彫刻作品が展示されている野外美術館
彫刻の森美術館に新たに展示された草間彌生《われは南瓜》(2013)。周囲には青と黄色のタイルにより水玉が表現された ©YAYOI KUSAMA, Coutesy of Ota Fine Arts

 また、4月19日には新収蔵の草間彌生《われは南瓜》(2013)が、屋外展示場の一角に修景を含めて展示。さらに、屋内施設「キトキ」にバルーンよる巨大な「南瓜」のインスタレーションが登場するなど、草間作品を楽しめるスポットにもなっている。

 彫刻の森美術館には、「The Hakone Open-Air Museum Café」やビュッフェレストラン「ベラフォレスタ」、彫刻の森ダイニング、とカフェ・レストランが3つも存在し、その日の気分にあわせて選べるのがうれしいところ。

住所:神奈川県足柄下郡箱根町二ノ平1121
電話番号:0460-82-1161
開館時間:9:00〜17:00
休館日:年中無休
料金:一般 2000円 / 大学・高校生 1600円 / 中学・小学生 800円 / 未就学児 無料

岡田美術館

 2013年に誕生した岡田美術館は、明治時代に存在した欧米人向けのホテル「開化亭」の跡地に建設されており、全5階からなる大型の美術館だ。伊藤若冲や葛飾北斎などの日本画や、野々村仁清、尾形乾山のやきもの、ほかにも中国、韓国を中心とする古代から現代までの美術品が、常時約450点展示されていることから、東洋の美が一堂に会する美術館として知られている。

美術館外観。足湯カフェに浸かりながら、日本画家・福井江太郎による風神・雷神の大壁画を鑑賞することができる

 ほかにも、自然豊かな庭園やかつて存在していたホテルの名にちなんだ食事処「開化亭」、風神・雷神の大壁画を楽しみながら疲れを癒やす100%源泉かけ流しの足湯カフェも用意されている。

 6月7日までは、特別展「愛でたい美術 ―絵画とやきものに見る幸せのかたち―」が開催される。本展では、古来より幸せへの願いを込めて美術作品に表されてきた多様なめでたいモチーフに注目。延命長寿、子孫繁栄、家内安全などの願いを象徴するモチーフは単独で用いられるだけでなく、複数を組みあわせることで複合的な意味を帯びる場合がある。今回の展示では、そのような吉祥の主題を愛らしく表した絵画とやきものを紹介している。

住所:神奈川県足柄下郡箱根町小涌谷493-1
電話:0460-87-3931
開館時間:9:00~17:00 ※入館は閉館30分前まで
休館日:展示替期間
料金:大人 2200円 / 大学・高校生 1700円 / 障害者手帳をお持ちの方および付添者1名まで 1100円 / 中学生以下 無料

箱根ラリック美術館

 アール・ヌーヴォーとアール・デコの時代にまたがりながら活躍した、ジュエリー・ガラス工芸作家、ルネ・ラリックの作品を収蔵する「箱根ラリック美術館」。宝飾やガラス作品のみならず、歴史的に貴重な室内装飾や、オリエント急行の内装まで、幅広いラリックの仕事を見ることが可能だ。

 併設されている「カフェ・レストラン リス(LYS)」は、「フランス・パリ郊外の明るいレストラン」をイメージしてつくられている。緑豊かな窓辺のこのレストランでは、上質なシャンパンと「自然の恵み」をテーマとしたメニューをリーズナブルに楽しめる。

箱根ラリック美術館の展示室

 現在は「ルネ・ラリックにみる日本とフランスの“かわいい”文化交流」が12月6日まで開催中。ジャポニスム(日本趣味)を源泉とするアール・ヌーヴォーとアール・デコが、日本に逆輸入され、竹久夢二(1884〜1934)や中原淳一(1913-1983)といったアーティストを刺激。こうした日仏の文化の影響関係から、ラリックを見直す展覧会だ。

住所:神奈川県足柄下郡箱根町仙石原186-1
開館時間:9:00〜16:00 ※最終入館は15:30
電話番号:0460-84-2255
料金:一般 1500円 / 高校生・大学生・シニア:1300円 / 小・中学生 800円 / 障がい者手帳ご持参の方 750円
休館日:毎月第3木曜日(8月は無休)

箱根ガラスの森美術館

 箱根ガラスの森美術館は、仙石原にある日本初のヴェネチアン・グラス専門の美術館。ヴェネチアン・グラスとは北イタリアの水の都・ヴェネチアを発祥とし、15世紀から18世紀にかけてヨーロッパ貴族を熱狂させた工芸品だ。

 館内にはヴェネチアン・グラス美術館に加えて、20世紀以降のガラス作品を鑑賞することができる現代ガラス美術館も存在している。鑑賞後はガラス工房に立ち寄り、旅の記念に思い出の品をつくるのもよいだろう。

ヴェネチアをイメージした箱根ガラスの森美術館の外観

 7月12日までは「ヴェネチアン・グラスでみせる驚異の部屋~世界の創生~」を開催中。同館コレクションのなかから、16~17世紀の宝石のような模様や色彩を持つヴェネチアン・グラスの数々をその歴史とともに紹介している。

住所:神奈川県足柄下郡箱根町仙石原940-48
開館時間:10:00〜17:30
電話番号:0460-86-3111
料金:一般 1800円 / 高校生・大学生:1300円 / 小・中学生 600円

成川美術館

 成川美術館は、実業家・成川實(なるかわみのる)の収集した、山本丘人や平山郁夫を中心とする昭和中期以降の現代日本画のコレクションをもとに、1988年に開館。芦ノ湖と箱根神社の赤い鳥居の景観を見下ろす高台に建つこの美術館は、新国技館を手がけた建築家・今里隆の設計によるものだ。現代的な和風建築が評価され、東京建築賞を受賞している。

 成川美術館の魅力はコレクションもさることながら、その建築から眺める景観にもあるだろう。ティーラウンジ「季節風」からは箱根随一の景色を臨みつつ、美術工芸品の器でゆったりとお茶や軽食を楽しむことができる。

住所:神奈川県足柄下郡箱根町元箱根570
開館時間:9:00〜17:00
電話番号:0460-83-6828
料金:一般 1300円 / 高校生・大学生:900円 / 小・中学生 600円