「練習しててずっとできなかったことが急にできるようになる」。動きつづけることで生みだされる加藤泉の作品群
3月4日から4月17日まで、ニューヨークのローワーイーストサイドにあるペロタンギャラリーで個展を開催している加藤泉。ペインティングから木彫や石彫、ファブリックを吊る立体作品のインスタレーション、そして新しいプラモデルを取り入れた一連の作品を展示する本展は、ギャラリーでの展示としては加藤のキャリアでも史上最大規模のものだ。ニューヨークでは5年ぶりとなる個展のために、まだまだコロナの影響が残るニューヨークに滞在する加藤に話を聞いた。
──ニューヨークでの5年ぶりの個展ですが、どういうことを意識しましたか?
展覧会は世界中どこでも嬉しいけど、アートの中心ニューヨークで見せることははやはり意識したよね。とはいえ仕事はいつもどおりだけどね。ファブリックの作品をニューヨークで見せるのは初めてで、いつもは見せる国の材料でつくってきたけど、世界中から人が来るニューヨークの場合は、逆にこれまで色んな国でつくって発表してきたものをまとめて見せたほうがニューヨークらしいかと思って、そうしたんだよね。今回、最新作を含んだ約70点くらいもってきたけど、ペインティング、石の作品、木彫の作品、そしてファブリックの作品と総合的にわかりやすく展示できたはず。ニューヨークのペロタンの2フロア使った広いほうのスペースで展示することができて、ギャラリーでの展示としては最大規模になったかな。
──これまでいろんな国で作品を見せてこられましたが、今回のニューヨークの人の反応はいかがですか?
ニューヨークの人はね、石の作品が好きみたいだね。手が入っているクラフト的なものよりも、考え方が面白い石を組み合わせて絵を描いただけという作品が好きみたい。逆に、アジアの人は、木彫が好きで、手が入っているのがわかりやすいものが好きみたいだね。絵はどこもかわらないね。好きな人は好きって感じ。こっちにも石を掘る人はいるけど、あまり石を積み重ねてっていう人はあまりいないからかなあ。ウゴ・ロンディノーネなんかがつくっているくらいかな。
──グローバルに展開するペロタンで、東京、パリ、香港、ニューヨークと世界中のいろんな場所で展開がありますが、作品制作の段階で、見せる場所を意識しているのですか?