• HOME
  • MAGAZINE
  • INSIGHT
  • 海と一緒に楽しみたい美術館・アートスポットベスト10(西日…
2026.6.30

海と一緒に楽しみたい美術館・アートスポットベスト10(西日本)

全国の美術館・博物館のなかには海と近いロケーションにあるスポットも少なくない。ここでは、海も一緒に楽しめる西日本エリアのミュージアムのなかから、とくに注目したい10ヶ所をピックアップしてお届けする。※本記事は7月1日24時まですべての方に全文お読みいただけます。

南城美術館 外観
前へ
次へ

兵庫県立美術館(兵庫県神戸市)

 阪神・淡路大震災からの「文化の復興」のシンボルとして、2002年、神戸東部新都心(HAT神戸)に開館した兵庫県立美術館。ここは世界的建築家・安藤忠雄が設計を手がけた巨大美術館で、延床面積約2万7500平方メートルという西日本最大級の規模だ。

兵庫県立美術館

 美術館が位置するのは神戸の湾岸エリア。美術館を象徴する3つの大屋根は海側に突き出しており、そこからは神戸の湾岸エリアを望むことができる。また美術館と一体で整備された隣接する広大な「なぎさ公園」では名和晃平三沢厚彦らのパブリック・アートも点在。美術館とあわせて、大阪湾を見ながら散策してみてほしい。

住所: 神戸市中央区脇浜海岸通1-1-1 
電話番号:078-262-0901
開館時間:10:00~18:00 ※入場は17:30まで
休館日:月(ただし祝日の場合は開館し、翌平日休館)、年末年始(12月31日、1月1日)、メンテナンス休館

直島(香川県香川郡)

 海とアートの組み合わせ、といえば瀬戸内海に浮かぶ直島は欠かせないスポットだ。

李禹煥美術館より、李禹煥《無限門》

 直島では、安藤忠雄建築である李禹煥美術館にぜひ立ち寄りたい。ここでは長さ25メートル×幅3メートルのステンレス板と同じ長さ・幅・素材のアーチ、2つの自然石からなる大作《無限門》(2019)が、海と鑑賞者をつないでくれるだろう。

直島新美術館 上空写真 撮影=GION

 また、2025年5月に開館した直島新美術館も、直島における新たなアートスポットとして見逃せない。直島の集落のなかに佇むこの建物は、地上1階、地下2階の3階建て。丘のうえに位置しており、その稜線を緩やかにつなぐ大きな屋根が建築的な特徴とも言えるだろう。館内に併設された「&CAFE (アンドカフェ)」では、オリジナルメニューを楽しみながら瀬戸内海を一望することもできる。

住所:[李禹煥美術館]香川県香川郡直島町字倉浦1390、[直島新美術館]⾹川県⾹川郡直島町3299-73
開館時間:[李禹煥美術館]10:00~18:00(10月1日~2月末日は~17:00)、[直島新美術館]10:00~16:30 ※ともに入館は閉館の30分前まで
休館日:ともに月(祝日の場合開館、翌日休館)

犬島精錬所美術館(岡山県岡山市)・豊島美術館(香川県小豆郡)

 直島とあわせて訪れたいのが、同じく瀬戸内海にある犬島と豊島だ。犬島にある犬島精錬所美術館は、犬島に残る銅製錬所の遺構を保存・再生したもので、「遺産、建築、アート、環境」による循環型社会を提案するプロジェクトとして20世紀初頭に稼働していた犬島精錬所の遺構を活用して建てられた。

犬島精錬所美術館

 「在るものを活かし、無いものを創る」をコンセプトとした同館では、製錬所の既存の煙突やカラミ煉瓦、太陽や地熱などの自然エネルギーを利用した環境に負荷を与えない三分一博志による建物に、日本の近代化に警鐘を鳴らした三島由紀夫をモチーフとした柳幸典の作品《ヒーロー乾電池》(2008)を展示。海風を感じながら、犬島の遺構をじっくりと散策したい。

住所:岡山県岡山市東区犬島327-4
電話番号:086-947-1112
開館時間:9:00~16:30 ※最終入館16:00
休館日:火〜木(3月1日~11月30日)※ただし祝日の場合は開館、全日(12月1日~2月末日)

豊島美術館

 いっぽうの豊島では、2010年に開館した豊島美術館に訪れたい。建築家・西沢立衛が設計した建物は、水滴のようなかたちが特徴。地元住民とともに再生させた棚田の広大な敷地の一角、豊島唐櫃(からと)の小高い丘に位置し、瀬戸内海を望むことができる。内部空間にはアーティスト・内藤礼の作品《母型》(2010)のみが展示されており、特別な時間が流れる美術館と言えるだろう。

住所:香川県小豆郡土庄町豊島唐櫃607
電話番号:0879-68-3555
開館時間:10:00〜17:00(3月1日〜10月31日)、10:00〜16:00(11月1日〜2月末日) ※ともに入館は閉館の30分前まで
休館日:火(3月1日〜11月30日)、火水木(12月1日〜2月末日)※ただし祝日の場合は翌日

丸亀市猪熊弦一郎現代美術館(香川県丸亀市)

 JR丸亀駅前の好立地に位置する丸亀市猪熊弦一郎現代美術館(MIMOCA)は、市制施行90周年の記念事業として、同市ゆかりの画家・猪熊弦一郎の全面的な協力のもと1991年に開館した。たんなる記念館にとどまらず、「現代美術の積極的な紹介」や「子供の教育への注力」などを望んだ猪熊の意思が、その企画展や運営に深く反映されている。街に大きく開かれたこの美しい建築を手がけたのは、建築家の谷口吉生だ。

丸亀市猪熊弦一郎現代美術館 外観 撮影=増田好郎

 美術館から少し歩けば、美しい瀬戸内海を臨むことができる。丸亀市は古くから金刀比羅宮(こんぴらさん)への「海の玄関口」として栄えた街であり、見事な石垣を誇る丸亀城も見どころとして外せない。猪熊の初期作品《海と女》(1935)に描かれたような、彼の心象風景としての瀬戸内海に思いを馳せながら、この街を巡るのもおすすめしたい。

住所:香川県丸亀市浜町80-1
電話番号:0877-24-7755 
開館時間:10:00~18:00 ※入館は閉館30分前まで
休館日:年末年始 

下瀬美術館(広島県大竹市)

 世界遺産・厳島神社がある宮島。海を挟んでこの島を眺める広島県大竹市にあるのが下瀬美術館だ。

 同館は、広島市に本社を置く建築資材の総合メーカー、丸井産業株式会社の代表取締役・下瀬ゆみ子と、その両親が半世紀以上をかけ形成してきたコレクション約500点をコアとする私設美術館。「アートの中でアートを観る。」をコンセプトに掲げており、建築はすべて世界的建築家である坂茂が設計した。

夜の下瀬美術館

 鏡面と曲線的な外観が美しいこの美術館は、海岸線と平行に並び建つエントランス棟、企画展示棟、管理棟が渡り廊下でつながれており、全長190メートル、高さ8.5メートルの「ミラーガラス・スクリーン」がこれらを一体化させている。美術を見るだけではなく、宿泊も可能。また、併設されている海を見ながらフレンチが楽しめるレストランも魅力となっている。

住所:広島県大竹市晴海2-10-50
電話番号:0827-94-4000
開館時間:9:30〜17:00 ※入場は16:30まで
休館日:月(祝日の場合は開館)

島根県芸術文化センター「グラントワ」(島根県益田市)

 島根県芸術文化センター「グラントワ」は、建築家・内藤廣によって設計された「島根県立石見美術館」と「島根県立いわみ芸術劇場」が一体となった施設だ。2005年10月に開館し、石見地域の芸術文化拠点として美術や音楽、演劇まで幅広い芸術が一堂に集結。互いに影響を与えあいながら、高品質な芸術文化の鑑賞機会を創出してきた。同センターの建築は、石見地方の伝統産業であり独特な赤みが特徴の「石州瓦」を基調とした開放的かつ美しい設計が特徴でもある。

島根県芸術文化センター「グラントワ」

 最寄りのJR益田駅の観光案内所で自転車を借り、15〜20分ほど益田川に沿って走ると日本海にたどり着く。天気が良ければ、石州瓦の赤と、海や空の青の対比が美しい景色にも出会えるだろう。

住所:島根県益田市有明町5-15
電話番号:0856-31-1860
開館時間:9:30~18:00 ※入場は17:30まで
休館日:火 

大塚国際美術館(徳島県鳴門市)

 大塚国際美術館は、「日本に居ながら世界の美術を体感できる」陶板名画美術館だ。古代壁画から現代絵画まで、西洋美術史を代表する名画およそ1000点を陶板で原寸大に再現し、一堂に展示している。

大塚国際美術館内にあるスクロヴェーニ礼拝堂

 瀬戸内海国立公園(鳴門公園)の小高い丘に位置する同館は、テラスや館内の随所から美しい海を一望できるのが魅力だ。また、鳴門市といえば、世界三大潮流のひとつにも数えられる鳴門海峡の渦潮が名高い。美術館の徒歩圏内には観潮船の港もあり、間近にせまる渦潮の迫力を体感できる。この地ならではの雄大な自然と、世界のアートをともに深く味わいたい。

住所:徳島県鳴門市鳴門町鳴門公園内
電話番号:088-687-3737
開館時間:9:30~17:00 
休館日:月(ただし祝日の場合は開館し、翌平日休館)、1月は連続休館あり、その他特別休館あり ※8月は無休 

長崎県美術館(長崎県長崎市)

 2005年に開館した長崎県美術館は、長崎港や長崎水辺の森公園にほど近いウォーターフロントに位置する。建築家・隈研吾らがデザインしたモダンなガラス張りの建築は、日本建築家協会賞やグッドデザイン賞など数々の賞を受賞し、街のランドマークとしても親しまれている。

長崎県美術館 外観

 同館の大きな見どころのひとつが、心地よい風が吹き抜ける屋上庭園だ。目の前に広がる緑豊かな「長崎水辺の森公園」や運河、長崎港など、雄大な自然を一望できる。ここは訪れる人々にとって開放的な癒やしの空間であり、時の移ろいや四季のめぐりを、館内のアートとともにゆったりと楽しむことができるだろう。

住所:長崎県長崎市出島町2-1
電話番号:095-833-2110
開館時間:10:00〜20:00
休館日:第2・4月(祝日の場合は翌火)

田中一村記念美術館(鹿児島県奄美市)

 田中一村記念美術館は2001年、鹿児島県・奄美大島の美しい海を望む奄美パーク内に開館した、日本画家・田中一村のコレクションを常設展示する唯一の美術館だ。モダンな建物は、奄美の海をイメージした水庭の上に、島伝統の高倉を模した展示室が佇む特徴的な設計だ。

田中一村記念美術館 外観

 一村は1908年に栃木県で生まれた。50歳のとき、新たな芸術の境地を求めて単身で奄美大島へと移住。奄美での一村は、絵を描くために紬工場で染色工として働き、切り詰めた生活のなかでも画家としての信念を貫き、亜熱帯の動植物をモチーフに独自の美の世界を創造した。一村の東京、千葉、奄美時代の代表作を含む作品群約80点を年4回に分けて展示している。

住所:鹿児島県奄美市笠利町節田1834
電話:0997-55-2635
開館時間:9:00~18:00(7、8月は〜19:00) ※入館は閉館30分前まで
休館日:第1・第3水(ただし祝日の場合は開館し、翌日休館)

南城美術館(沖縄県南城市)

 沖縄県南城市に佇む南城美術館は、沖縄でもっとも神聖な場所と称される世界遺産「斎場御嶽(せーふぁーうたき)」と同じ山のなかに位置している。館内では「芸術は生活のなかで存在する(AT HOME ART HOME)」というコンセプトのもと、アートをより身近に感じられる多彩な作品展示を行っている。

南城美術館 外観

 最大の魅力は、敷地内から一望できる「ニライカナイの海」の絶景だ。はるか海の彼方にあるとされる豊穣の理想郷・ニライカナイへとつながるような、美しい光景が眼下に広がる。まさに「AT HOME ART HOME」という言葉がふさわしい我が家のような心地よい空間のなかで、神秘的な自然とアートが溶けあう特別な時間を堪能したい。

住所:沖縄県南城市知念安座真865
電話番号:098-975-7616 
開館時間:11:00〜16:00 
休館日:火