2025.4.15

ポーラ美術館でライアン・ガンダーの個展「ライアン・ガンダー:ユー・コンプリート・ミー」が開催。日本初公開作品を多数展示

ポーラ美術館でライアン・ガンダーの展覧会「ライアン・ガンダー:ユー・コンプリート・ミー」が開催される。会期は5月31日〜11月30日。

ライアン・ガンダー Closed systems 2024 Courtesy the artist and TARO NASU, Tokyo. Photo: Ryan Gander Studio
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 神奈川・箱根のポーラ美術館で、ライアン・ガンダーの最新作を紹介する展覧会「ライアン・ガンダー:ユー・コンプリート・ミー」が開催される。会期は5月31日〜11月30日。

ライアン・ガンダー Courtesy of the artist. Photography by Kazushi Toyota_IG. © Ryan Gander.

 ライアン・ガンダーは1976年生まれ。イギリス・サフォークを拠点に活動するアーティストで、絵画、彫刻、映像、テキスト、VRインスタレーションから建築、出版物や書体、儀式、パフォーマンスまで、幅広い作品と実践を通して芸術の枠組みやその意味を問い直してきた。展覧会のキュレーション、大学や美術機関での指導、また子供を支援する活動にも熱心に取り組んでおり、数多くの書籍の執筆・編集、テレビ番組の制作・出演を通じて芸術や文化の普及にも携わっている。

 本展では館内の様々なスペースで、全18点におよぶ作品の数々を紹介。大半が日本初公開の新作であり、本展のための新作も多数用意される。

 とくに注目したいのが、ガンダーの「アニマトロニクス」シリーズだ。幼いガンダーの子供たちの声が使用されており、長く難解な文章をきちんと読み切る子供たちと作家のあいだに、どのような信頼とコミュニケーションがあるのかが問われている。

 また、地名のつづりをそのままキャンバスに写した絵画作品は、各地で撮影した写真の整理のため、ガンダーの父親が記した手書き文字を抜き出して描かれている。家族との関係や思い出が、アートとして新たな位相を見せる。

ライアン・ガンダー Centred on the periphery 2023 Courtesy the artist and TARO NASU, Tokyo Photo:Misako Misako

 加えて、シカやイノシシ、鳥、リスやムササビなど、多種多様な動物たちが暮らし、生態系をなしている箱根の森にも焦点を当てる。生命について、本展のためにガンダーは新たな動物を生み出し、館内の様々な場所に展開する予定だ。

ライアン・ガンダー You Complete Me, or I see things you can't see (A Frogs Tale), 2025 Courtesy the artist and TARO NASU, Tokyo. Photo: Ryan Gander Studio