2026.5.1

今週末に見たい展覧会ベスト12。「アンドリュー・ワイエス展」から「ロン・ミュエク」展まで

今週閉幕する/開幕した展覧会のなかから、とくに注目したいものをピックアップしてお届け。なお、最新情報は各館公式サイトを参照してほしい。

ロン・ミュエク《チキン / マン》(2019)ミクストメディア 86×140×80cm クライストチャーチ・アートギャラリー / テ・プナ・オ・ワイウェトゥ
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もうすぐ閉幕

「ミッション∞インフィニティ|宇宙+量子+芸術」(東京都現代美術館

展示風景より、左から落合陽一《物象化する願い、変換される身体(手長)》(2022)、《リキッドユニバース:物化する計算機自然、質量への憧憬の転回》(2026)、《物象化する願い、変換される身体(足長)》(2022)

 東京・清澄白河の東京都現代美術館で、「ミッション∞インフィニティ|宇宙+量子+芸術」が開催されている。会期は5月6日まで。レポートはこちら

 本展は、「ミッション[宇宙×芸術]」展(東京都現代美術館)から10年となる今年、国際量子科学技術年(2025)にあわせて開催されるもの。宇宙や量子などのサイエンス領域とアートのコラボレーションによって「世界の成り立ち」や「見えない世界」について考える企画展だ。

 科学者らの宇宙研究やアーティストの「宇宙」に関する作品群に加え、国産量子コンピュータによる初のアート作品など、「時と空間」が不思議なふるまいを見せる「量子」の領域に取り組む、新たな表現の可能性を紹介。やがて宇宙への旅が日常となり、量子研究が次の100年へと向かういま、先駆者に続いて表現領域を拡張しようとするつくり手らの試みを、多様なインスタレーションやXR展示で体験的に展開を試みる内容となっている。

会期:2026年1月31日〜5月6日
会場:東京都現代美術館
住所:東京都江東区三好4-1-1
開館時間:10:00~18:00 ※展示室入場は閉館の30分前まで
休館日:月(ただし、5月4日は開館)
料金:一般 1800円 / 大学・専門学校生、65歳以上 1260円 / 中学・高校生 720円 / 小学生以下 無料

「日本画アヴァンギャルド KYOTO 1948-1970」(京都市京セラ美術館

大野俶嵩《緋 No.24》(1964)京都市美術館

 京都市京セラ美術館で特別展「⽇本画アヴァンギャルド KYOTO 1948-1970」が開催されている。会期は5月6日まで。レポートはこちら

 戦後、伝統と⾰新のはざまで揺れる⽇本画界において、京都では若き画家たちによる前衛的な試みが始まった。本展は、1940年代以降に結成された3つの美術団体である「創造美術」「パンリアル美術協会」「ケラ美術協会」を中⼼に、⽇本画の枠を問い直し、新たな表現を模索した気鋭の若⼿画家とその軌跡を紹介するものとなっている。

 戦後京都で⽣まれた⽇本画の反⾻的創造運動を「⽇本画アヴァンギャルド」として総称し、京都画壇の批評精神と創造性に着⽬し、現代へと連なる⽇本画のもうひとつの系譜を紐解く内容だ。

会期:2026年2⽉7⽇〜5⽉6⽇ 
会場:京都市京セラ美術館 新館 東⼭キューブ
住所:京都府京都市左京区岡崎円勝寺町124
開館時間:10:00〜18:00 ※⼊場は17:30まで
休館日:⽉(祝⽇の場合は開館)
料金:⼀般 1800円 / ⼤学・専⾨学校⽣・⾼校⽣ 1300円 / ペア券 3200円(⼀般のみ) / 中学⽣以下無料

飯川雄大 大事なことは何かを見つけたとき」(水戸芸術館現代美術ギャラリー

飯川雄大《デコレータークラブ─ピンクの猫の小林さん》(2026)

 水戸芸術館現代美術ギャラリーで「飯川雄大 大事なことは何かを見つけたとき」が開催されている。会期は5月6日まで。レポートはこちら

 飯川雄大は1981年兵庫県生まれ。2007年より「デコレータークラブ」シリーズを展開し、公共空間や展示の仕組みに着目しながら、観客の身体感覚や想像力、場の偶発性によって変容する作品を制作してきた。代表作には《0人もしくは1人以上の観客に向けて》《配置・調整・周遊》などが挙げられる。

 本展では、これまでの実践を包括的に紹介するとともに、情報の曖昧さや感覚の不完全さを新たな可能性ととらえ、鑑賞者を巻き込む新作インスタレーションが展開されている。

会期:2026年2月28日~5月6日
会場:水戸芸術館現代美術ギャラリー
住所:茨城県水戸市五軒町1-6-8
開館時間:10:00~18:00 ※入場は閉館の30分前まで
休館日:月(ただし、5月4日は開館)
料金:一般 900円 / 高校生以下 無料 / 70歳以上 無料

「アンチ・アクション 彼女たち、それぞれの応答と挑戦」(兵庫県立美術館

山崎つる子 作品 1964 芦屋市立美術博物館蔵 ©Estate of Tsuruko Yamazaki, courtesy of LADS Gallery, Osaka and Take Ninagawa,Tokyo

 兵庫県立美術館で、特別展「アンチ・アクション 彼女たち、それぞれの応答と挑戦」が開催されている。会期は5月6日まで。

 本展では、ジェンダー研究の観点を足がかりに、1950〜60年代の日本の女性美術家による創作活動を見直すもの。当時評価の中心となった「アクション」に対し、別のかたちで応答し独自の抽象表現を展開した14名の作品およそ120点が紹介されている。

 会場では、身体、素材、空間などをキーワードに作品同士をつなぐ構成で展示されている。出展作家は、赤穴桂子、芥川(間所)紗織、榎本和子、江見絹子草間彌生、白髪富士子、多田美波、田中敦子、田中田鶴子、田部光子、福島秀子、宮脇愛子、毛利眞美、山崎つる子。

会期:2026年3月25日~5月6日
会場:兵庫県立美術館
住所:兵庫県神戸市中央区脇浜海岸通1-1-1
開館時間:10:00~18:00  ※入場は閉館30分前まで
休館日:月(ただし5月4日は開館)
料金:一般 1600円 / 大学生 1000円 / 70歳以上 800円 / 高校生以下 無料

「大横尾辞苑 これであなたもヨコオ博士!?」(横尾忠則現代美術館

メインビジュアル(デザイン:横尾忠則)

 兵庫県神戸市の横尾忠則現代美術館で「大横尾辞苑 これであなたもヨコオ博士!?」が開催されている。会期は5月6日まで。

 本展は、ひらがな45文字(あ~を)およびアルファベット26文字(A~Z)に対応する用語を設定し、それぞれに関連する横尾忠則の作品や資料によって構成する「辞書」形式の展覧会。選定された用語には、横尾忠則の人生にまつわる出来事や交友関係、精神世界、死の問題などが含まれ、それらに関連する作品を通して、横尾忠則の作品世界を紹介している。

会期:2026年1月31日~5月6日
会場:横尾忠則現代美術館
住所:兵庫県神戸市灘区原田通3-8-30
開館時間:10:00~18:00 ※入館は閉館の30分前まで
休館日:月(5月4日は開館)
料金:一般 800円 / 大学生 600円 / 70歳以上 400円 / 高校生以下 無料

今週開幕

「都美術館開館100周年記念 アンドリュー・ワイエス展」(東京都美術館

アンドリュー・ワイエス《オルソンの家》(1966)水彩、紙

 東京・上野の東京都美術館で、アンドリュー・ワイエス(1917〜2009)の没後日本初となる回顧展「東京都美術館開館100周年記念 アンドリュー・ワイエス展」が開催されている。会期は7月5日まで。レポートはこちら。なお、本展は豊田市美術館(7月18日〜9月23日)、あべのハルカス美術館(10月3日〜12月6日)に巡回する。

 ワイエスは、20世紀アメリカ具象絵画を代表する画家だ。第二次世界大戦後に脚光を浴びたアメリカ抽象表現主義、ネオ・ダダ、ポップアートといった動向から距離を置き、ひたすら自分の身近な人々と風景を描き続けた。その作品は眼前にある情景のたんなる再現描写にとどまるものではなく、作家自身の精神世界が反映されたものとなっている。

 同展は、その「境界」の表現に着目して、ワイエスが描いた世界を見つめることを試みるもの。ホイットニー美術館(ニューヨーク)の《冬の野》(1942)、フィラデルフィア美術館の《冷却小屋》(1953)、フィルブルック美術館(オクラホマ)の《乗船の一行》(1984)をはじめ、10点以上が日本初公開。あらためてワイエスの魅力に触れる機会となるだろう。

会期:2026年4月28日~7月5日
会場:東京都美術館
住所:東京都台東区上野公園8-36
開館時間:9:30〜17:30(金〜20:00) ※入場は閉館の30分前まで
料金:一般 2300円 / 大学生 1300円 / 65歳以上 1600円 / 高校生以下無料

「焼絵 茶色の珍事」(中之島香雪美術館)

如秀《亀図》(18~19世紀)彌記繪菴

 中之島香雪美術館で「焼絵 茶色の珍事」が開催されている。会期は5月31日まで。

 「焼絵」とは、火筆画や焦画、烙画などとも呼ばれる、熱した火箸や鏝を紙や絹などに押しあて、絵画や文字を焦がして表現する技法を用いた作品のこと。色調は茶から黒に近い色まで展開し、線描から点描、濃淡といった水墨画の技法も再現されている。

 江戸時代には、優れた焼絵を手がけた稲垣如蘭こと近江山上藩の第五代藩主稲垣定淳をはじめ、藩主や家老クラスのあいだでこの技法が流行した。いっぽう、葛飾北斎の弟子とされる北鼎如連のような浮世絵師にも焼絵の名手が現れ、狩野派の特徴を有する作例も確認されている。また、大田南畝と来舶した中国人とのあいだで焼絵談議が行われ、朝鮮通信使を介し烙画が紹介されるなど、焼絵を通した国際交流も行われた。本展では、日本をはじめ朝鮮と中国、現代の焼絵作品を展観し、その美と制作背景を紹介している。

会期:2026年4月28日~5月31日
会場:中之島香雪美術館
住所:大阪府大阪市北区中之島3-2-4 中之島フェスティバルタワー・ウエスト 4階
開館時間:10:00~17:00(5月1日、15日、29日は~19:30)※入館は閉館の30分前まで
休館日:月、5月7日(ただし、5月4日は開館)
料金:一般 1600円 / 高大生 800円 / 小中生 400円

「特別展 スウェーデン絵画 北欧の光、日常のかがやき」(山口県立美術館

カール・ラーション カードゲームの支度 1901 油彩、キャンバス スウェーデン国立美術館 Photo: Anna Danielsson / Nationalmuseum

 山口県立美術館で、特別展「スウェーデン絵画 北欧の光、日常のかがやき」が開催されている。会期は6月21日まで。

 本展では、スウェーデン絵画の黄金期と呼ばれる1880年代から1900年代の作品を中心に、スウェーデン近代絵画を体系的に紹介。スウェーデン国立美術館の全面協力のもと、19世紀末に制作された絵画を通して、北欧の自然とともに生きる感性に注目するものとなっている。

会期:2026年4月28日~6月21日
会場:山口県立美術館
住所:山口県山口市亀山町3-1
開館時間:9:00~17:00  ※入場は閉館30分前まで
休館日:月(ただし、5月4日、6月1日は開館)
料金:一般 1700円 / シニア(70歳以上の方)、学生 1500円 / 18歳以下 無料

ロン・ミュエク」(森美術館

ロン・ミュエク《マス》(2016〜17)合成ポリマー塗料、ファイバーグラス サイズ可変 ビクトリア国立博物館

 東京・六本木にある森美術館で「ロン・ミュエク」展が開催されている。会期は9月23日まで。レポートはこちら

 ロン・ミュエクは1958年オーストラリア・メルボルン生まれ。革新的な素材や技法、表現方法を用いて具象彫刻の可能性を押し広げてきた。1986年よりイギリスに在住し、映画・広告業界で20年以上のキャリアを積んだ後、90年代半ばに彫刻の制作を開始。97年、ロイヤル・アカデミー・オブ・アーツでの「センセーション:サーチ・コレクションのヤング・ブリティッシュ・アーティスト」展に出品した《死んだ父》(1996〜97)が注目を集め、一躍国際的な評価を得た。以来、ミュエクは世界各地の名だたる美術館で作品を発表しており、日本では十和田市現代美術館に《スタンディング・ウーマン》(2007)が常設展示されている。

 カルティエ現代美術財団との共同企画による本展は、2023年にパリで幕を開け、ミラノ、ソウルを巡回した国際展の日本会場となるもので、日本では2008年の金沢21世紀美術館での回顧展以来、2度目の個展開催となっている。会場では、巨大インスタレーション《マス》(2016〜17)を中心に、日本で初めて紹介される6点を含む11点が展示されている。

会期:2026年4月29日〜9月23日
会場:森美術館
住所:東京都港区六本木6-10-1 六本木ヒルズ森タワー 53階 
開館時間:10:00〜22:00(火〜17:00。ただし、 5月5日、8月11日、9月22日は〜22:00) ※入館は閉館の30分まで
休館日:会期中無休
当日料金:[平日]一般 2300円 / 高校・大学生 1400円 / 中学生以下 無料 / 65歳以上 2000円[土日祝]一般 2500円 / 高校・大学生 1500円 / 中学生以下 無料 / 65歳以上 2200円

「KIM YEONG JUN × YUNI YOSHIDA PHOTO EXHIBITION “Face to face”」(麻布台ヒルズギャラリー

会場風景より

 東京・虎ノ門の麻布台ヒルズギャラリーで「KIM YEONG JUN × YUNI YOSHIDA PHOTO EXHIBITION “Face to face”」が開催されている。会期は5月28日まで。

 本展は、「人間のもっとも本質的な美しさ」をテーマに、花をモチーフとして日韓の俳優たちを撮り下ろしたプロジェクト。フォトグラファーのキム・ヨンジュンの撮影と、アートディレクター吉田ユニのディレクションのもと、日韓62名の出演者を各2点ずつ撮り下ろした合計124点のビジュアルが紹介されている。

会期:2026年4月29日~5月28日
会場:麻布台ヒルズギャラリー
住所:東京都港区虎ノ門5-8-1 麻布台ヒルズ ガーデンプラザAMB階
開館時間:11:00~21:00
料金:大人 2200円 / 大学生・専門学生 1500円 / 中高生 800円 / 小学生以下 無料

藤田嗣治 絵画と写真」(札幌芸術の森美術館

 北海道・札幌の札幌芸術の森美術館で、「藤田嗣治 絵画と写真」が開催されている。会期は6月28日まで。

 本展では、藤田について「写真」を手がかりに再考する。藤田は若い頃から晩年に至るまで、旅先や日常において人や風景を撮影し、多くの写真を残した。藤田は写真から細部を抽出し、絵画制作の際に画面上で再構成するなど、写真を資料として活用していた。

 会場では絵画作品とともに制作の素材となった写真をあわせて展示。また、資料の域を超え、藤田の感性や色彩感覚が表れた写真をまとめて紹介している。あわせて、自画像やポートレート写真を通じて形成された藤田のイメージに注目し、そのあり方を検証。さらに、ウジェーヌ・アジェ、マン・レイなど、藤田が交友を持った同時代の写真家の作品も紹介し、絵画と写真の関係性を多角的に示す内容となっている。

会期:2026年4月29日~6月28日
会場:札幌芸術の森美術館
住所:札幌市南区芸術の森2-75
開館時間:9:45〜17:00(6月〜17:30) ※入館は閉館の30分前まで
休館日:5月25日
料金:一般 1800円 / 大学・高校生 1000円 / 小・中学生 500円

暗闇をくぐってみたら Part1 竹内公太展「のののののまつり」(市原湖畔美術館

 改修工事に伴い完全休館中の市原湖畔美術館。同館が5月から部分的に開館し、2組のアーティストによる劇場型の連続個展を開催する。第1弾は竹内公太による「暗闇をくぐってみたら Part1 竹内公太展『のののののまつり』」で、会期は5月1日〜6月28日。

 竹内公太は1982年兵庫県生まれ、福島県在住。石碑や映画館などの地域の歴史の痕跡を題材にしたインスタレーションなどを手がける。最新作では第二次世界大戦中に太平洋を横断した風船爆弾の歴史に関する連作を発表した。

 本展は、ミュージアムショップの奥にある秘密の入口をくぐった先にある真っ暗な空間が会場となっている。4ヶ月にわたる市原でのフィールドワークをベースに、自然の移ろいとともに太古から流れてきた時間を遡った映像インスタレーションが展開されている。

会期:2026年5月1日〜6月28日
会場:市原湖畔美術館
住所:千葉県市原市不入 75-1
開館時間:[月〜金]10:00〜17:00[土祝前日]9:30〜19:00[日祝]9:30〜18:00 ※入館は閉館の30分前まで
休館日:月(祝日の場合は翌平日) 
料金:一般 800円 / 大高生・65 歳以上 600円 / 中学生以下無料・障がい者手帳をお持ちの方、または障害者手帳アプリ「ミライロID」提示とその介添者1名は無料