写真新人賞「夜明け前|New Photography Award」、第1回グランプリにGC magazine
独立系ベンチャーキャピタルANRIが主催する、新たな写真アワード「夜明け前|New Photography Award」。その第1回グランプリが決定した。

次代の表現者の可能性を見出し、伴走する写真新人賞「夜明け前|New Photography Award」。その第1回グランプリ受賞者が決定した。
同アワードは、独立系ベンチャーキャピタルANRI株式会社が主宰・運営するもので、写真ジャンルにおいて新しい表現を目指す作家を応援・支援するため、2024年に立ち上げられた。応募資格や作品形態に制限を設けないことで広く門戸を開くこのアワード。初回は国内外から772件の応募を集めた。
審査員を務めたのは、ANRI株式会社代表・佐俣アンリ、写真家・鈴木理策、赤々舎代表・姫野希美。ファイナリスト7組(コウ レイエイ、Ng Yung Ki,Jay、小林優希、齋藤陽道、GC magazine、竹之内祐幸、藤井さくら)から見事グランプリに輝いたのは、GC magazineだ。

GC magazineは2020年に結成。若手作家を中心に十数名からなるアーティスト・コレクティブだ。zineの制作や写真を軸としたインスタレーションを展開しており、“写真の錯綜と当惑”というトピックを扱う。
受賞作となったのは「HOT RODDERS “G” 4th Drifting with you『私の恋∞瞬間∞『螺旋』∞』」。車のシートに乗った鑑賞者が回転しながら体験する映像インスタレーションと、約300枚のバライタ印画紙を手焼きプリントしてパズル状に組み合わせた巨大な平面で構成された。



本作について、GC magazineは以下のコメントを寄せている。「私たちは独自の写真言語と写真を評価する基準を持とうとしています。ビジュアルの探究だけでなく、それを支える動機や行動、マテリアルの選択など、すべてを含め写真を考えるのが基本的営みです。車の存在を強く打ち出すのは、車を運転するときには四角く区切られたフロントガラスから見えた風景が何より記憶に残り、それは写真という存在を思わせるからです。また、運転しているときに瞬間ごと取捨選択をしていくのは、写真を撮る感覚に近いとも感じています」。
GC magazineにはグランプリ特典として創作支援金300万円が授与されるとともに、2025年中に個展開催と写真集制作・刊行が予定されている。
なお、今年夏には第二回「夜明け前」が開催予定。8月より応募を開始し、審査を経て12月にはグランプリが決定する。写真の世界で挑戦したい作家はふるって応募してほしい。