大塚国際美術館でフェルメール《合奏》の陶板名画が新たに公開。未解決盗難事件で消失
徳島の大塚国際美術館の常設展示として、未解決盗難事件で消失したフェルメールの傑作《合奏》の陶板名画が公開された。

世界の美術を陶板で体感できる名画美術館として知られている徳島の大塚国際美術館。その常設展示として、美術史上最大の未解決盗難事件で消失したヨハネス・フェルメールの傑作《合奏》(1663-66頃)の陶板名画が公開された。

本作品は、1990年3月18日にアメリカ・ボストンのイザベラ・スチュワート・ガードナー美術館で起こった「美術史上最大の未解決盗難事件」で消失した13点のうちの1点。今年の3月18日は、この事件発生から35年を迎えることになる。
盗難当時の額縁は彫刻家で大塚美術財団評議員の池田清史が再現。現地で額縁を調査し、制作方法も詳細にリサーチ。また、本作について、早稲田大学名誉教授で大塚美術財団理事の大髙保二郎は次のように解説した。
「調和のとれた色彩や、パースペクティブを駆使した立体的な室内空間、見る者の視線を奥に向かって誘導する。しかし、絵の中の人物は誰も視線には気がついていない。バロック絵画の典型的な特徴といえ、後期フェルメールの傑作だ」。
なお、大塚国際美術館では、30数点ともいわれるフェルメールの現存作品のうち《牛乳を注ぐ女》や《真珠の耳飾りの少女》といった代表作10点の陶板名画を常設展示、今回の追加展示をあわせると、合計11点のフェルメール作品を展示することとなる。
