ルックバック：近代 洋画

　三重県立美術館で「コレクションによる特別展示　ルックバック：近代 洋画」が開催されている。

　日本が急速に近代化を推し進めた19世紀後半、西洋からは様々な技術や思想がもたらされ、その波は美術の分野にも到来した。幕末から明治初期には、西洋風の絵画を志す画家たちが次々と出ており、日本でも本格的に油絵をはじめとする西洋式の絵画の学習が進む。明治期には、美術を専門的に学ぶための学校や画塾が創設され、また海外へ出て絵画を学ぶ者も現れ、西洋画は新来の絵画として発展している。

　彼らが描いた絵は、日本にあった伝統的な画法を用いた「日本画」に対して、「洋画」と呼ばれるようになる。画家たちは近代といううねりのなか、西洋から多くを学びつつ、試行錯誤を重ねながら、日本独自の洋画を生み出してきた。

　三重県立美術館では、洋画をコレクションの収集方針のひとつに掲げ収集と調査研究活動を行い、洋画や洋画家に焦点をあてた展覧会を開催してきた。本展では、同館コレクションのなかで重要な位置を占める洋画を軸に、明治から昭和前期までを振り返り、近代美術の魅力に迫る。