EXHIBITIONS

浮世絵でめぐる隅田川の名所

2025.04.26 - 05.25, 2025.05.27 - 06.22

歌川広重 東都旧跡尽 浅草金龍山 観世音由来 通期展示

 たばこと塩の博物館で「浮世絵でめぐる隅田川の名所」が開催されている。

 隅田川は、江戸の人々にとって馴染み深い川であった。周辺には浅草寺や木母寺をはじめとした由緒ある寺社が点在し、四季や自然の美しさを堪能できる名所もあった。向島一帯は船に乗れば江戸の中心から遠くなく、のどかな雰囲気も味わうことができ、格好の行楽地となっていた。

 隅田川は浮世絵に数多く描かれている。江戸名所が描かれたシリーズには必ず隅田川周辺の絵があり、隅田川周辺のみをテーマとしたものもある。役者絵や美人画の背景やコマ絵などに小さく描かれたものまであり、隅田川は「絵になる川」として親しまれた。

 本展では、周辺の寺社、花名所、料亭など、浮世絵に描かれた隅田川の名所を3つのコーナーで紹介。前後期あわせて約150点の浮世絵を展示し、当時の状況や描かれた背景なども紹介しながら、江戸の人々が楽しんだ隅田川の魅力を伝える。

 なお、今年4月で同館が渋谷区から墨田区に移転して10年となった。大蔵省煙草専売局の工場が隅田川沿いに建てられるなど、隅田川はたばこ産業にとっても重要な川であるため、移転した2015年以降、同館では浮世絵を含む隅田川に関わる様々な資史料を収集してきた。本展は、移転前から収蔵していた浮世絵と新収蔵品をあわせて紹介している。