EXHIBITIONS
SPECIAL EXHIBITIONS
スキマをひらく
京都市立芸術大学ギャラリー@KCUAで「スキマをひらく」が開催されている。
本展では、人々が時間と場所をともにし、対話を重ねることによって広がる可能性について、4組の作家の作品や実践を通して考察する。出展作家は、乾久美子、小山田徹、田中功起、副産物産店。
田中功起は「ともに生きるとは何か」というテーマのもと、人々の協働や共同体のあり方を問い直す活動を続けてきた。今回の展示では、2017年にミュンスター彫刻プロジェクトで発表された《Provisional Studies: Workshop #7 How To Live Together, And Sharing The Unknown》(一時的なスタディ︰ワークショップ7 未知なものを共有し、いかにしてともに生きるか)を取り上げる。この作品は、様々な文化的背景を持った近隣住民8名が参加した9日間のワークショップの記録映像を中心に構成されている。
京都市立芸術大学および京都市立美術工芸高校移転整備工事「乾・RING・フジワラボ・o+h・吉村設計共同企業体」(以下、京芸設計JV)の代表である建築家・乾久美子は、日常で、また仕事先で出会った、誰がつくったのかわからないが、生き生きとして、人の温もりを感じることのできるささやかな場所を「小さな風景」と呼び、協力者とともに記録を撮りためてきた。本展で紹介されているこれらの「小さな風景」に、乾はコモンズ的なもの、場所への愛着、居心地、共有の感覚の源泉などを見出し、日々の学びとしている。
また矢津吉隆、山田毅による「副産物産店」は、京芸設計JVの機運醸成・リサーチチームの活動から生まれたアーティストユニットだ。制作の現場から出る廃材など、いずれは捨てられる運命にあったものたちを「副産物」と呼び、それらを回収・活用・販売する活動を行ってきた。本展では、乾の「小さな風景」と、もとの素材の周囲にかつてあったもの、あるいは用途に着目しながら新たな風景をつくろうとする副産物産店の作品が重なりあうコラボレーションのゾーンを入り口として、「副産物」の循環と活用を様々な角度から体験できる場を創出。
そして、昨年度まで同大学美術学部彫刻専攻の教員を務め、今年4月に本学理事長兼学長に就任した小山田徹は、数十年にわたって「共有空間の獲得」をテーマとした活動を続けてきた。本展では、約15年間のあいだ、小山田がつくり続けてきた共有空間で、その役割を変化させながら寄り添ってきた小屋状の立体作品《浮遊博物館》を新キャンパスに「おく」ところから始まる。展覧会会期中の週末には、誰もにひらかれ、それぞれが思い思いに過ごすことによって育つ共有空間「ウィークエンドカフェ」が出現する。
なお、出展作家による作品に加え、会場内では「共生と分有のトポス:芸術と社会の交差領域におけるメディエーター育成事業」(2024年度)の生物多様性をテーマとしたワークショップ(講師:太田陽介、鷲田悟志ほか)の記録映像(撮影・編集:片山達貴)を上映しているとのこと。
本展では、人々が時間と場所をともにし、対話を重ねることによって広がる可能性について、4組の作家の作品や実践を通して考察する。出展作家は、乾久美子、小山田徹、田中功起、副産物産店。
田中功起は「ともに生きるとは何か」というテーマのもと、人々の協働や共同体のあり方を問い直す活動を続けてきた。今回の展示では、2017年にミュンスター彫刻プロジェクトで発表された《Provisional Studies: Workshop #7 How To Live Together, And Sharing The Unknown》(一時的なスタディ︰ワークショップ7 未知なものを共有し、いかにしてともに生きるか)を取り上げる。この作品は、様々な文化的背景を持った近隣住民8名が参加した9日間のワークショップの記録映像を中心に構成されている。
京都市立芸術大学および京都市立美術工芸高校移転整備工事「乾・RING・フジワラボ・o+h・吉村設計共同企業体」(以下、京芸設計JV)の代表である建築家・乾久美子は、日常で、また仕事先で出会った、誰がつくったのかわからないが、生き生きとして、人の温もりを感じることのできるささやかな場所を「小さな風景」と呼び、協力者とともに記録を撮りためてきた。本展で紹介されているこれらの「小さな風景」に、乾はコモンズ的なもの、場所への愛着、居心地、共有の感覚の源泉などを見出し、日々の学びとしている。
また矢津吉隆、山田毅による「副産物産店」は、京芸設計JVの機運醸成・リサーチチームの活動から生まれたアーティストユニットだ。制作の現場から出る廃材など、いずれは捨てられる運命にあったものたちを「副産物」と呼び、それらを回収・活用・販売する活動を行ってきた。本展では、乾の「小さな風景」と、もとの素材の周囲にかつてあったもの、あるいは用途に着目しながら新たな風景をつくろうとする副産物産店の作品が重なりあうコラボレーションのゾーンを入り口として、「副産物」の循環と活用を様々な角度から体験できる場を創出。
そして、昨年度まで同大学美術学部彫刻専攻の教員を務め、今年4月に本学理事長兼学長に就任した小山田徹は、数十年にわたって「共有空間の獲得」をテーマとした活動を続けてきた。本展では、約15年間のあいだ、小山田がつくり続けてきた共有空間で、その役割を変化させながら寄り添ってきた小屋状の立体作品《浮遊博物館》を新キャンパスに「おく」ところから始まる。展覧会会期中の週末には、誰もにひらかれ、それぞれが思い思いに過ごすことによって育つ共有空間「ウィークエンドカフェ」が出現する。
なお、出展作家による作品に加え、会場内では「共生と分有のトポス:芸術と社会の交差領域におけるメディエーター育成事業」(2024年度)の生物多様性をテーマとしたワークショップ(講師:太田陽介、鷲田悟志ほか)の記録映像(撮影・編集:片山達貴)を上映しているとのこと。