EXHIBITIONS

柴田敏雄「Early Works ‒ 1987, 1988 and Belgian days」

2025.05.09 - 06.14

Gent, Belgium 1979 ©Toshio Shibata

 ZEIT-FOTO kunitachiで、柴田敏雄による個展「Early Works ‒ 1987, 1988 and Belgian days」が開催されている。

 柴田敏雄は1949年東京都⽣まれ。東京藝術⼤学⼤学院美術研究科絵画専攻では版画や絵画制作を⾏う。修了後、ベルギー⽂部省から奨学⾦を受けてゲント市王⽴アカデミーへ⼊学し、新設された写真学科へ進学。そこで本格的に写真を始め、⼤判カメラによるモノクロ写真の制作に取り組み始める。1979年に帰国後、ツァイト・フォト・サロンで継続的に個展を開催。細部まで緻密に描写され、緊張感がありながらも優美さを備えた⾵景写真で注⽬を集める。

 代表的なシリーズである「日本典型」は、柴田自身が「日本の国土の4分の3以上が⼭岳地帯であるため、⽣産的な⼟地利⽤にはつねに⾃然との闘いが伴う」と述べ、⼭を切り拓き河川を治⽔する⾃然と⼈とのせめぎあいの場⾯をとらえたものだ。1992年に⽊村伊兵衛写真賞を受賞。2000年代からはカラー写真も発表し始める。日本の現代写真を代表する写真家のひとりとして国際的にも活躍し、国内外で展覧会を開催。その作品は世界中の美術館に収蔵されている。

 本展は、活動のなかから初期の10年間に創作された作品約50点を「ベルギー留学時代の作品(1970年代後半)」「中近東で撮影した作品(1987年)」「造花などを撮影した静物作品(1988年)」の3つのテーマに分け構成している。