ACG Reflections 2: 移行のメソッド -川田知志、野村仁、村上三郎-

　ARTCOURT Galleryでグループ展「ACG Reflections 2: 移行のメソッド -川田知志、野村仁、村上三郎-」が開催されている。

「ACG Reflections」は、豊かなキャリアを持つ作家の表現に焦点を当て、作品に通底する要素や展開の系譜を改めて見つめ直す企画展だ。

　戦後関西における美術表現は、鋭い感受性をもつ作家たちが、自らの身体を通して素材や空間と向き合う実験的なアプローチによって展開されてきた。彼らの作品は、固定した「もの」に帰着せず、行為や現象、変化のプロセスの「動き」として提示され、また前作の再解釈として異なる素材や手法で制作される場面もしばしば見られる。

　本展では、村上三郎による「紙破り」とその瞬間を捉えた記録写真（1956）、野村仁の《重心の移動》《カメラを手に持ち腕を回す》などにおける身体動作を映像で捉えた作品（いずれも1972）、そして川田知志による壁画の描画・解体・移設（2025）といった実践も取り上げる。三者それぞれのユニークな制作への取り組みを通して、関西の戦後から現代にかけて脈々と続く、移動・身体・空間と造形表現の関係を見つめ直す。

　なお、会期最終日の16時30分からは、川田による壁画の引き剥がし公開作業が行われる。