幻想の息吹 — 生命を描く現代日本画展

　Empathy Galleryでグループ展「幻想の息吹 — 生命を描く現代日本画展」が開催される。

　現代日本画は、古来の技法と現代の感性が交わり、静謐でありながら力強い表現を生み出す。本展は、その新たな潮流を牽引する4名の女性作家、坂本藍子、板垣夏樹、藤原宇希子、蒼野甘夏による企画展だ。

　自然や生命、物語を自らの視点で再解釈する彼女たちの筆致は、繊細な光を放つと同時に奥深い闇を湛える。水や空気といった根源的な要素から、神話や幻想が息づく世界まで、私たちの世界に潜む「見えない豊かさ」を描く。

　作品群は、物質と精神、現実と非現実の境界を揺さぶり、新たな美のあり方の提示を試みている。それぞれの世界は共鳴し合い、観る者の心にしなやかで深い息吹を吹き込む。技巧の披露にとどまらず、生命や自然、心象風景への敬虔な眼差しを内に秘めた、静謐な対話の空間となるだろう。