メタル展

　メゾンエルメス ル・フォーラムで「メタル展」が開催される。

　本展は、エルメス財団が推進する「スキル・アカデミー」の一環として書籍『Savoir & Faire 金属』の刊行を記念して開催されるグループ展である。自然素材と職人技術に焦点をあてたシリーズとして、『木』（2021）、『土』（2023）に続く第3弾として位置づけられる。

　本展では、金属という素材が持つ両義的な性質に注目し、その文化的・象徴的な側面を多角的に再考する。社会学者ユーグ・ジャケが述べる「アンビヴァレンス（二面性）」という視点のもと、音楽、映像、造形という異なる表現形式を通して、素材としての金属に潜む意味を探る。

　本展覧会では、素材に内包された歴史的・文化的属性を視覚化し、それぞれの作家が異なる手法で金属を読み解いていく。物質としての金属が、どのように記憶・社会・象徴性と結びついてきたのかを考察する場となるだろう。

　参加作家は、エロディ・ルスール、遠藤麻衣子、榎忠。