EXHIBITIONS

在原業平生誕1200年記念特別展

伊勢物語―美術が映す王朝の恋とうた―

2025.11.01 - 12.07

在原業平像 室町時代 16世紀 根津美術館蔵

 根津美術館で「在原業平生誕1200年記念特別展 伊勢物語―美術が映す王朝の恋とうた―」が開催される。

 在原業平は、平安時代前期に活躍した天皇の孫にあたる貴族であり、和歌に優れた文化人として知られている。恋愛にまつわる多くの逸話とともに、業平の和歌は『古今和歌集』をはじめとする勅撰和歌集に多数収録されている。

 その業平の和歌を中心に構成された短編物語集が『伊勢物語』である。同作は、905年に成立した『古今和歌集』以前から10世紀後半にかけて章段が増補され、最終的に125段からなるかたちに定着したとされる。11世紀初頭に成立した『源氏物語』の「絵合」巻には伊勢物語絵巻が登場し、当時すでに同作が絵画化されていたことがうかがえる。

 本展では、『伊勢物語』の根幹をなす和歌に焦点をあて、書、絵画、工芸の諸作品において和歌が果たす役割に注目しながら、その表現の豊かさと造形美の多様性を通して、王朝文化における恋とうたの世界を紹介する。