展覧会タイトル「Sag mir wo die Blumen sind」は、1955年にアメリカのフォーク歌手ピート・シーガーが発表した反戦歌「Where Have All the Flowers Gone?」に由来する。この曲は1962年にドイツの女優・歌手マレーネ・ディートリヒによって歌われ、広く知られるようになった。本展では、キーファーの最新作を含む25点の作品を通じて、その芸術とその深いテーマを余すところなく紹介する予定だ。
アンゼルム・キーファー De sterrennacht 2019 470 x 840 cm, emulsion, oil, acrylic, shellac, straw, gold leaf, wood, wire, sediment of an electrolysis on canvas Copyright: Anselm Kiefer. Photo: Georges Poncet
アンゼルム・キーファー Innenraum 1981 287.5 x 311 cm, oil, acrylic and paper on canvas Stedelijk Museum Amsterdam
なかでも注目されるのは、展覧会タイトルにもなっている《Sag mir wo die Blumen sind》。24メートルに及ぶ巨大なこの作品は、アムステルダム市立美術館の歴史的な階段周辺を埋め尽くす没入型のインスタレーションであり、絵具、粘土、軍服、乾燥したバラの花びら、金を用いて制作されている。この作品は、人間の生と死、再生の循環を象徴し、観客に深い感動を与えるものとなる。また、鉛と写真で構成される《Steigend, steigend, sinke nieder》というもうひとつのインスタレーションも展示され、人間の歴史の重みを表現するキーファーの象徴的な手法が示される。
アンゼルム・キーファー《Voyage au bout de la nuit》(左、1990)と《Untitled》(1989) Stedelijk Museum Amsterdam