2025.9.9

「キュレトリアル・スタディズ16:荒木悠 Reorienting ―100年前に海を渡った作家たちと―」が京都国立近代美術館で開催

京都国立近代美術館で、「キュレトリアル・スタディズ16:荒木悠 Reorienting ―100年前に海を渡った作家たちと―」が開催される。

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 京都国立近代美術館で、「キュレトリアル・スタディズ16:荒木悠 Reorienting ―100年前に海を渡った作家たちと―」が開催される。会期は10月7日〜12月7日。

 荒木悠は1985年生まれ。2007年ワシントン大学サム・フォックス視覚芸術学部美術学科彫刻専攻卒業。2010年東京藝術大学大学院映像研究科メディア映像専攻修士課程修了。文化の伝播や異文化同士の出会い、またその過程で生じる誤訳や誤解の持つ可能性に強い関心を寄せているアーティスト・映画監督だ。とくに近年の映像インスタレーションでは、歴史上の出来事と空想との狭間に差異を見出し、再現・再演・再生といった表現手法で探究している。

 本展では、荒木が今年夏にポルトガルと日本で撮影・制作した新作の映像作品1点を初公開するとともに、22才のときに発表した短編映像を含む過去作3点を同館コレクションと展示。また荒木の新旧作品と越境する眼差しを、同館研究員が選んだ国吉康雄(1889〜1953)、石垣栄太郎(1893〜1958)、野田英夫(1908〜1939)という3名の「日系移民作家」の作品に重ね、移動と越境、表現の関係を掘り下げながら、戦争や不況、分断する思考など、約100年前と現在の情勢を照らし合わせる。

国吉康雄 コニーアイランド 1938 京都国立近代美術館蔵
石垣栄太郎 鞭うつ 1925 京都国立近代美術館蔵
野田英夫 風景 1937 京都国立近代美術館蔵