2017.8.6

「芸術」とはいかなるものか?イケムラレイコが「あの世のはてに」展で示すひとつの答え

ドイツ、スイスで活躍し、人や動物などの気配を感じる絵画を描くイケムラレイコが、9月9日からシュウゴアーツ(六本木)で個展を開催する。

Leiko Ikemura, Genesis I 2015 ジュートにテンペラ 190 x 290 cm Copyright the artist
Courtesy the artist and ShugoArts

 イケムラレイコは1951年三重県津市生まれ。1970〜72年に大阪外国語大学スペイン語科に在籍後、73年にスペインのセビリア美術大学へ留学。79年にスイス、83年にドイツへと渡り、現在はベルリンとケルンを拠点に活動している。91年よりベルリン芸術大学教授。

 2009年にアウグスト・マッケ賞、14年にケルン・ファインアート賞を受賞するなど、ドイツを中心に評価されており、11年には東京国立近代美術館、12年に三重県立美術館で大回顧展を開催している。

 イケムラは、闇の中に横たわる少女、風景、動物などのモチーフを取り入れた絵画や彫刻を通し、生と死、西洋と東洋といった2項の間の揺らぎを表現してきた。日本で3年ぶりの個展となる本展では、これまで自身の作品に登場してきたモチーフの数々が変容し画面に集約された新作を発表。人の手によって生み出される「芸術」の意味を問い続けてきたイケムラが、その答えを披露する。