デイヴィッド・チッパーフィールド設計。スロベニア・ブレッドに新現代美術館「ムゼイ・ラフ」が2026年夏開館へ
ユリアン・アルプスの麓に広がる自然と歴史の町・ブレッドに、2026年夏、スロベニア初の国際的現代美術館「ムゼイ・ラフ」が開館する。

2026年夏、スロベニアのブレッドに新たな現代美術館「ムゼイ・ラフ(Muzej Lah)」が開館する。
ユリアン・アルプスの麓、中世のブレッド城のふもとという歴史と自然に恵まれたロケーションに誕生するこの施設は、イゴール&モイツァ・ラフ夫妻による民間の文化事業として設立される。夫妻が約30年にわたって収集してきた「ファンダツィア・ラフ(Fundacija Lah)」のコレクションが、初めて一般公開される。

建築は、プリツカー賞を受賞したイギリスの建築家サー・デイヴィッド・チッパーフィールド率いる「David Chipperfield Architects」が担当。建物は丘の中腹に建ち、周囲の自然に溶け込むようにデザインされている。背後には彫刻庭園が広がり、来館者は屋外でも作品を楽しめる。連続する傾斜屋根は周囲の山々の稜線を思わせ、自然光を取り入れた展示空間をつくり出している。内部は動線や展示内容に応じて分節されており、作品と風景の両方を体感できる構成だ。

館内には図書室やリサーチセンター、レストラン、ショップ、多目的ホールなども併設される。展覧会の開催にとどまらず、演劇、映画上映、パフォーマンス、教育プログラムなど多彩な文化活動を展開する予定で、地域の文化拠点として、また国際的な訪問者を迎える場所としての役割が期待されている。