EXHIBITIONS

てなわけで20年。魅惑のチョウ、シンタ展

2025.06.06 - 08.31

長新太 『キャベツくんのにちようび』(文研出版)より 1992 ちひろ美術館蔵

 安曇野ちひろ美術館で「てなわけで20年。魅惑のチョウ、シンタ展」が開催されている。

 長新太(1927〜2005)は東京都生まれ。1949年、東京日日新聞のマンガコンクールに一等入選し、漫画家となる。1958年、堀内誠一の勧めで、最初の絵本『がんばれ さるの さらんくん』を手がける。1959年『おしゃべりなたまごやき』で文藝春秋漫画賞、1981年『キャベツくん』で絵本にっぽん大賞、2005年『ないた』で日本絵本賞大賞をはじめ受賞多数。柔軟で斬新な発想の絵本を発表し続ける。

 漫画、イラストレーション、エッセイなど多彩な分野で活躍した長。1958年に初めての絵本を手がけて以降、子供の本に仕事の場を広げ、日本の絵本にナンセンスの分野を切り拓いた。

 シュールでありながら独特のユーモアに満ちた作品は、没後20年経ったいまも幅広い世代を魅了し続けている。本展では、繰り返し展覧会に取り組んできたこれまでの研究成果をもとに、奇妙な生き物が登場する作品や奇想天外な展開を見せる絵本などを展示。「ナンセンスから意味を求めようというのはナンセンス」と語っていた長新太の世界を堪能してほしい。