EXHIBITIONS

川尻潤「迷走・LOVE」

2025.10.10 - 10.25
 和田画廊で、川尻潤の個展「迷走・LOVE」が開催される。

 川尻潤は1964年京都府生まれ。江戸時代中期から続く陶業の家系で育ち、東京藝術大学大学院博士課程を修了後、国内外で活動。作品は京都市京セラ美術館やスウェーデン王室などに収蔵、現在は京都美術工芸大学教授を務めるほか、ロシア、中国、台湾でアーティスト・イン・レジデンスなどを行う。日本古来の茶室や日本庭園の構造から学んだ「不均衡の美」を通して、人間の弱さや揺らぎを受け入れる美意識に強く影響を受ける。作品には割れや歪み、欠けを意図的に取り入れることで、存在そのものを肯定する表現を追求している。

 本展では、「愛」が作品の核心となっている。造形の均衡や完璧さを超え、日常に潜む揺らぎや不完全さを包み込む視点、川尻の「愛こそすべて」という思いが込められている。華やかさや遊び心といった表現はそのままに、根源的な問いである「愛」の可能性を提示する。