伊東宣明が個展「フィクション / 人生で一番美しい」を開催。共鳴しあう2つの新作は何を示すのか?
美術家・伊東宣明の個展「フィクション / 人生で一番美しい」が、東京都文京区のWAITINGROOMで開催される。会期は9月15日~10月14日。
伊東宣明は1981年奈良県生まれの美術家。2006年に京都造形芸術大学映像舞台芸術学科映像芸術コースを卒業、16年に京都市立芸術大学大学院美術研究科博士後期課程を修了した。
おもな個展歴に、「人生で一番美しい」(同志社女子大学ギャラリー、京都、2018)、「アートと芸術家」(WAITINGROOM、東京、2016)、「アート」(愛知県美術館 APMoA Project ARCH、名古屋、2015)。そのほか「CANCER THE MECHANISM OF RESEMBLING」(EUKARYOTE、東京、2018)、「S-HOUSEミュージアム開館記念展」(S-HOUSEミュージアム、岡山、2016~)といった数多くのグループ展にも参加してきた。
伊東は、「身体」「生/死」「精神」といった人間が生きていくうえで避けることのできない根源的なテーマを追求しつづけていくなかで「フィクション」に対する独自論を展開。フィクション・ノンフィクション・メタフィクションを交錯させるような手法を多く用いた映像作品やインスタレーションを制作している。
今回、東京都文京区のWAITINGROOMで開催される個展「フィクション / 人生で一番美しい」では、伊東が博士論文の中で提唱した独自の制作論「フィクションの融解」「フィクションによる割れ」をもとにつくられた新作ロードムービー《フィクション》が公開される。
加えて、20歳前後の男女約20名がカメラを前に、一様にレオナルド・ダ・ヴィンチが描いた《モナ・リザ》のポーズをとり、「いま、私は人生で一番美しい」と1000年後の鑑賞者に向けて宣言する映像作品《人生で一番美しい》を、複数のモニターやタブレットを用いたインスタレーション形式で発表するという。
人間はこの世に生を受け、死を迎えるまで、何を感じ、何を目的に、どこへ向かっていこうとしているのか。伊東の作品群を通じて、その問いについて再考したい。