2025.2.20

「Study:大阪関西国際芸術祭2025」に総勢50名以上が参加

大阪・関西万博にあわせて4月11日より開催される「Study:大阪関西国際芸術祭2025」。その詳細が明らかにされた。

奥中章人 INTER-WORLD/SPHERE: Cocooner
Photo by Kohei Matsumura
前へ
次へ

 大阪・関西万博にあわせ、大阪市内各所で4月11日から「Study:大阪関西国際芸術祭2025」が開催される。

 同芸術祭は、2022年より毎年開催されてきた民間主導のイベント。これまで大阪市内を会場に、様々な展示を展開してきた。今年のテーマは「ソーシャルインパクト」。万博会場のほか、大阪文化館・天保山(旧サントリーミュージアム)・ベイエリア 、船場エリア、西成エリア、JR大阪駅エリアなどが舞台となる。現時点での参加作家は約50名で、今後も追加される。

 万博会場では、「EXPO PUBLIC ART」として、奥中章人、DONESY、冨長敦也、ヘラルボニーが参加し、会場内にパブリック・アートを展示する。また今後も参加作家は追加予定だ。

奥中章人 INTER-WORLD/SPHERE: Cocooner
Photo by Kohei Matsumura
DONESY Mirror-polished stainless steel forged sculpture
W2570mm D2000mm H3700mm
(BASE W2000mm D2000mm H800mm)

 安藤忠雄建築の大阪文化館・天保山(旧サントリーミュージアム天保山)では、ドイツの研究機関であるInstitut für Kulturaustauschとともに「Reshaped Reality〜ハイパー・リアリスティック彫刻の50年〜」を開催。

大阪文化館・天保山

 同展はこれまでグッゲンハイム・ビルバオ(2016)をはじめ、世界各地で開催されてきたもので、日本での開催はこれが初めて。過去50年におけるハイパー・リアリスティック彫刻における人間像の発展を展示することで、「人間とは何か」を考察するという。参加作家はアレン・ジョーンズ、ジョージ・シーガル、パトリシア・ピッチニーニ、マウリツィオ・カテラン、ロン・ミュエク、トニー・マテッリら26組。

(C) Allen JonesCourtesy of the artist and Institute for Cultural Exchange, Tübingen
© Ron MueckCourtesy of Olbricht Collection and Anthony D'Offay, LomdonPhoto: Joachim Fliegner, Bremen
© Tony Matelli Courtesy of the artist and Institute for Cultural Exchange, Tübingen

 大規模開発によって注目を集める大阪キタエリアでは、佐久間洋司がキュレーターとなり、「思弁的な音楽」展をメインにビルやサイネージなどに作品を展開するという。

 また、同芸術祭が立ち上げ当初から会場としてきた西成エリアでは、NPO法人「こえとことばとこころの部屋(ココルーム)」が運営する釜ヶ崎芸術大学や西成拠点のファッションブランド「NISHINARI YOSHIO」と連携し、展示を展開。谷川俊太郎、森村泰昌+坂下範征らが参加する。

釜ヶ崎芸術大学のアートに出会う日常に宿泊できる”Our Sweet Home”
森村泰昌(美術家)× 坂下範征(元日雇い労働者、釜ヶ崎芸術大学在校生)2022

 船場エリアでは、これまで同様船場エクセルビルが主な会場。岸本光大がキュレーターとなり「Re: Human──新しい人間の条件」展にシュウゾウ・アヅチ・ガリバー、金氏徹平、金サジ、釜ヶ崎芸術大学ら約10組が参加。新しい「人間らしさ」の可能性を考える展示を行うという。

シュウゾウ・アヅチ・ガリバー ⽢い⽣活 1995 / A.T.C.G. / インターコース [東京バージョン] マルセル・デュシャン(1887-1968)とエルヴィン・シュレーディンガー(1887-1961)に捧げる 1993-95 インスタレーション、ミクストメディア サイズ可変 ©︎certotokyo
釜ヶ崎芸術大学

 加えて、万博記念公園にある国立民族学博物館では俳優・のんが作品を発表。前回の70年万博と今回の万博をいかに接続させるのか、注目したい。

のん

 なお、大阪国際会議場では7月21日~23日の会期で国際アートフェア「Study × PLAS : Asia Arts Fair」を開催。同フェアは日韓国交正常化60周年を記念するもので未来志向の日本・韓国及びアジア圏での文化芸術の関係性構築を目的に、韓国で2016年に誕生した現代アートフェア「PLAS」と株式会社アートローグが共同主催となる。日韓共同開催のアートフェアはこれが初で、古美術から現代美術までを扱い、関西圏におけるマーケットの活性化を狙う。

PLAS 2024 会場風景

 なお、今年は「瀬戸内国際芸術祭2025」、国際芸術祭「あいち2025」、「岡山芸術交流2025」、「ひろしま国際建築祭」など西日本で様々な芸術祭が開催される。

 また、大阪市立美術館リニューアル記念特別展「日本国宝展」(大阪市立美術館4月26日〜6月15日)「安藤忠雄展|青春」(VS.、3月20日〜7月21)、特別展「超 国宝展ー祈りのかがやきー」(奈良国立博物館、4月19日〜6月15日)、特別展「日本、美のるつぼー異文化交流の軌跡ー」(京都国立博物館、4月19日〜6月15日)、「アンゼルム・キーファー:ソラリス」(二条城、3月31日〜6月22日)など、大型展覧会が目白押しとなっている。