メゾンエルメスで金属の属性を考えるグループ展「メタル」が開催。書籍も刊行
今年の10月末にエルメス財団から書籍『Savoir & Faire 金属』が刊行される。刊行にあわせて、銀座メゾンエルメス ル・フォーラムで、金属の属性を考えるグループ展「メタル」が開催される。会期は10月30日~2026年1月31日。

今年の10月末に、エルメス財団から書籍『Savoir & Faire 金属』が刊行される。自然素材をめぐる職人技術や手わざの再考、継承、拡張を試みるプログラム「スキル・アカデミー」の一環となっており、『木』(2021)、『土』(2023)に続く3冊目となる。本書は、仏語版『Savoir & Faire le métal』(2018、アクト・スッド社とエルメス財団の共同編集)から精選されたエッセイやインタビューの邦訳を軸に、日本語版オリジナルとして専門家やアーティストによる論考やインタビュー、ポートフォリオから編纂された。
また、本書の刊行を記念し、銀座メゾンエルメス ル・フォーラムでは、金属の属性を考えるグループ展「メタル」が開催される。金属の原材料となる鉱物や加工技術はそれ特有の性質を持つ。スキル・アカデミーのフランスにおける監修者である社会学者・歴史家のユーグ・ジャケは、書籍のなかで、金属の特徴を両義性と呼ぶ。本展では、金属にまつわる様々な事象から見受けられる両義性について、音楽、映像、造形の側面から3名のアーティストたちが金属を読み解き、再考するものとなる。
参加作家は、メタル音楽を記号論的に解釈するエロディ・ルスール、日本古来の朱と水銀を媒介に内的宇宙と外的象徴を創造する映画監督の遠藤麻衣子、そして鉄球としての地球に人間活動を重ね合わせ、廃材を用いた作品をつくる榎忠の3名。


