2025.5.28

第61回ヴェネチア・ビエンナーレ国際美術展、テーマは「In Minor Keys」に決定

2026年5月9日〜11月22日に開催される第61回ヴェネチア・ビエンナーレ国際美術展がそのテーマを「In Minor Keys」に決定した。

第60回ヴェネチア・ビエンナーレ国際美術展の様子 Photo by Matteo De Mayda

 2026年に開催される第61回ヴェネチア・ビエンナーレ国際美術展がテーマを発表した。

 来年5月9日〜11月22日(プレビュー期間は5月6日〜8日)の会期で、ヴェネチアのジャルディーニ、アルセナーレ、および市内各所にて開催されるビエンナーレのテーマは「In Minor Keys」。

 本展は、今年5月10日に急逝したキュレーターのコヨ・クオによって構想されたものであり、彼女の家族の全面的な同意と支援のもと、ヴェネチア・ビエンナーレ財団がその構想を忠実に実現するかたちで実施されるという。

 昨年10月17日、同財団会長ピエトランジェロ・ブッタフオコの要請を受け、クオは第61回展のキュレーター就任を正式に受諾。同年11月5日には理事会により正式にヴィジュアル・アーツ部門のディレクターとして任命され、12月3日には第60回展の閉幕に合わせて記者発表が行われた。

 就任から約半年間、クオは精力的に展覧会の準備を進めていた。理論的枠組みの策定からアーティストと作品の選定、カタログの編纂者の指名、展示空間の構成とデザイン、グラフィックアイデンティティの決定に至るまで、そのプロセスは綿密かつ多岐にわたっていた。

 クオが残した展覧会の構想文書は、今年4月8日に会長宛に提出されたものであり、そこでは「In Minor Keys」という展覧会タイトルが明記されていた。「この展覧会では、調和と対話に焦点を当て、表現のニュアンスや静けさを重視した“マイナーな”視点から、現代美術の多様性に光を当てたい」との理念が記されているという。

 展覧会の実施にあたっては、クオが指名したチームによって構成される。アドバイザーとしてゲイブ・ベックハースト・フェイフー、マリー=エレーヌ・ペレイラ、ラシャ・サルティ、編集長にはシッダールタ・ミッター、アシスタントにはローリー・ツァパイが名を連ねる。

 出展作家や展示構成、参加国の詳細については、2026年2月25日にヴェネチアで開催される公式発表にて明らかにされる予定だという。

 また、同財団は新たに高級ジュエリーブランド「ブルガリ」とパートナーシップを締結。2026年、28年、30年の3回にわたり、国際美術展のエクスクルーシブ・パートナーを務める。さらに、メインスポンサーにはイタリアのコーヒーブランド「イリーカフェ」が、スポンサーには「Vela – Venezia Unica」が名を連ね、展覧会の開催を支える。