2025.8.15

サザビーズ、ブロイヤー設計の新本社を11月8日公開。ヘルツォーク&ド・ムーロンが改修設計

サザビーズは、ニューヨーク・マディソン・アベニューに位置するマルセル・ブロイヤー設計の歴史的建築を改修し、11月8日に新本社として一般公開する。

サザビーズ・ニューヨーク新本社の外観 Photo by Colin Miller for Sotheby's
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 2023年、サザビーズはニューヨーク・マディソン・アベニューに位置する、建築家マルセル・ブロイヤー設計の建物を取得すると発表した。この建物を拠点とするサザビーズ・ニューヨークの新本社が、11月8日に一般公開される。

 同建物は、モダニズムの巨匠ブロイヤーがホイットニー美術館のために設計し、1966年に完成。ホイットニー美術館は約50年間にわたり本拠地として使用した。その後、2015年にメトロポリタン美術館が賃借し、翌年「メット・ブロイヤー」として開館。20年にはフリック・コレクションに譲渡され、24年まで「フリック・マディソン」として分館運営が行われた。

サザビーズ・ニューヨーク新本社の外観 Photo by Colin Miller for Sotheby's

 改修設計はプリツカー賞受賞建築事務所ヘルツォーク&ド・ムーロンが担当。ニューヨーク拠点のPBDWアーキテクツと協働し、建築的完全性を保持しつつ、最先端のギャラリースペースを整備した。再設計には、可変型のセールスルームや多目的イベント空間、幅広い展示カテゴリーに対応するギャラリー、今冬オープン予定のレストラン(ローマン&ウィリアムズとの協働による)などが含まれる。

ロビーのイメージ
Frank Stella: © Frank Stella / Artist Rights Society (ARS), New York
Isamu Noguchi: © 2025 The Isamu Noguchi Foundation and Garden Museum, New York / Artists Rights Society (ARS), New York

 今回の改修では、外観照明の刷新による夜間の存在感強化、オフィス区画の撤去とオリジナルのギャラリー平面の復元、最先端の照明・空調設備導入など、保存と革新の両立も図られた。

展示室のイメージ
Jackson Pollock: © 2025 The Pollock-Krasner Foundation / Artists Rights Society (ARS), New York
Lucio Fontana: © 2025 Estate of Lucio Fontana / Artists Rights Society (ARS), New York, NY

 11月8日の開館当日は無料で一般公開され、モダンおよびコンテンポラリーアートの大規模展覧会が開幕。続く11月17日の週には、同カテゴリーの主要オークションが予定されている。

 サザビーズCEOのチャールズ・F・スチュワートは「11月8日、我々はこの美術館水準の特別な空間に再び世界のアートコミュニティをお迎えできることを光栄に思います」とし、次のように述べた。「ブロイヤーの歴史的かつ素材的遺産をサザビーズの新時代へと引き継ぐうえで、ヘルツォーク&ド・ムーロンの卓越した仕事に感謝します。彼らはこの建物を、偉大な芸術作品に接するのと同じ敬意と配慮をもって改修してくれました」。

展示室のイメージ
Willem de Kooning: © 2025 The Willem de Kooning Foundation / Artists Rights Society (ARS), New York
Ellsworth Kelly: © Ellsworth Kelly Foundation, courtesy Matthew Marks Gallery
Joan Mitchell: © Estate of Joan Mitchell