2026.8.15

韓国最大規模のアートフェア「Kiaf SEOUL 2026」に今年も注目。18カ国から175のギャラリーが出展

韓国を代表する最大規模の国際アートフェア「Korea International Art Fair SEOUL(通称:Kiaf SEOUL)」が、今年もソウルのCOEXを舞台に開催される。第25回を迎える今回のテーマは「共存(Coexistence)」。会期は9月2日〜9月6日。

Kiaf SEOUL 2025 写真提供:Kiaf SEOUL 2025 Courtesy of Galleries Association of Korea ⓒ Creative Resource
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 韓国を代表する最大規模の国際アートフェア「Korea International Art Fair SEOUL(通称:Kiaf SEOUL)」が、今年もソウルの大型展示場・COEXを舞台に開幕する。会期は9月2日〜9月6日。今回も通例通り「フリーズ・ソウル」と同時開催となる。

Kiaf SEOUL 2025 写真提供:Kiaf SEOUL 2025 Courtesy of Galleries Association of Korea ⓒ Creative Resource

 第25回という節目を迎える今回は、クリエイティブ・ディレクターにクホ・ジュン(Kuho Jung)を迎え、テーマに「共存(Coexistence)」を掲げる。世界18の国と地域から175のギャラリーが集結し、人工知能やデジタル革新が日常生活を再構築する現代において、人類とテクノロジーの進化する関係性や、新たな共存のかたちを探求する。

美術史を彩る巨匠と、現代アートの最前線

 今年の大きな見どころは美術史に名を刻む巨匠たちの作品だ。オブスクラ(Obscura)はソル・ルウィット(1928〜2007)の《Irregular Grid》(1999)を披露し、イェソン・ギャラリー(Yeasung Gallery)は今年、韓国国立現代美術館(MMCA)での大規模個展も話題となったダミアン・ハースト(1965〜)の限定版画《For the Love of God》(2012)を出展する。

オブスクラ(Obscura)より出展される、ソル・ルウィット《Irregular Grid》(1999)
イェソン・ギャラリー(Yeasung Gallery)より出展される、ダミアン・ハースト《For the Love of God》(2012)
アート・オブ・ザ・ワールド・ギャラリー(Art of the World Gallery)より出展されるマルク・シャガール《Couple d’Amoureux au Bouquet de Fleurs》(1982)
SH Galleryより出展されるキース・ヘリング《Growing 2(Littmann p.90) 》(1988)
Galerie Piciより出展されるデイヴィッド・ホックニーの作品

 ほかにも、アート・オブ・ザ・ワールド・ギャラリー(Art of the World Gallery)によるマルク・シャガール(1887〜1985)のテンペラ画をはじめ、キース・ヘリング(1958〜90)《Growing 2(Littmann p.90) 》(1988)(SH Gallery)、デイヴィッド・ホックニー(1937〜2026)(Galerie Pici)などの巨匠が手掛けた名作の数々が並ぶ。

Wellside Galleryより出展される李禹煥《With Winds》(1991)
Wellside Galleryより出展される朴栖甫《Ecriture No. 950815》(1995)
PYO Galleryより出展される金昌烈《SA98042(SH97026)》(1998)
CMay Galleryより出展されるナム・ジュン・パイク《Internet Dweller wol.five.ydpb》(1994)

国際的な評価を確立した作家たちの作品も

 また、韓国の近現代美術を牽引し、国際的な評価を確立した作家たちの作品も充実している。ウェルサイドギャラリー(Wellside Gallery)からは李禹煥(リ・ウファン)(1936〜)の「Wind」シリーズをはじめ、単色画(ダンセクファ)の中心人物である朴栖甫(パク・ソボ)(1931〜2023)による《Ecriture No. 950815》(1995)らの作品が登場。ピョ・ギャラリー(PYO Gallery)は抽象的な水滴の絵画で知られる金昌烈(キム・チャンヨル)(1929〜2021)の《SA98042(SH97026)》(1998)、Cメイ・ギャラリー(CMay Gallery)は、インターネット黎明期に制作されたナム・ジュン・パイク(1932〜2006)の《Internet Dweller wol.five.ydpb》(1994)を展示する。

Opella Galleryより出展されるKAWS《Response Ability》(2018)
NINO MIER GALLERYより出展されるアンドレ・ブッツァー《Ohne Titel Untitled》(2020)

 現代美術の第一線で活躍する作家たちの参加も多数予定されている。国際的に注目を集めるコラクリット・アルナーノンチャイ(国際ギャラリー)や、KAWS(オペラギャラリー)、アンドレ・ブッツァー(ニーノ・ミエ・ギャラリー)、塩沢かれん(ホワイトストーンギャラリー)など、多様な文化や表現を横断する作家による作品群が会場を彩る。

テクノロジーとの交差を探る特別展と、拡充される若手支援

 特別展の構成も、マーケットを超えたキュレーション・プラットフォームとして特徴的だ。「HUMAL」(humanとanimalの造語)展では、AIやアルゴリズムが浸透する時代における人間の本能や身体的感覚を、7人のアーティストの作品を通じて考察する。また「Invisible」展では、来場者がQRコードをスキャンして会場内に統合されたAR(拡張現実)アート作品を鑑賞するなど、テクノロジーとの関係性を多様な視点から提示する。

 さらに、国内外でキャリアを築く気鋭のアーティストを支援するために立ち上げられたプログラム「Kiaf HIGHLIGHTS」は今年、規模を拡大して展開される。生態系や物質性、東洋哲学などを探求する10名のセミファイナリストの作品が各ギャラリーの専用スペースにて展示され、来場者に深い鑑賞体験を提供する。

視覚芸術から音楽分野への拡張「Kiaf Classic」

 今年のテーマである「共存(Coexistence)」は、視覚芸術にとどまらず音楽の領域へも広がりを見せる。9月4日にはCOEXオーディトリウムにて、世界的なピアニスト、チョ・ソンジン(Seong-Jin Cho)を迎えた特別プログラム「Kiaf Classic: Resonance of Coexistence」が開催される。卓越した芸術性で知られる彼のパフォーマンスは、アートフェアにおける創造性や知覚の探求を深める学際的な体験となるだろう。

Kiaf SEOUL 2025 写真提供:Kiaf SEOUL 2025 Courtesy of Galleries Association of Korea ⓒ Creative Resource

 「Kiaf SEOUL 2026」は、同時期に都市全体で繰り広げられる「ソウル・アート・ウィーク(Seoul Art Week)」の中心的な柱として、世界中の鑑賞者とソウルの活気あふれる文化エコシステムの結びつきを試みる。多様な思考と表現が交錯するこの地で、テクノロジーと人類の新たな共存のかたちを志向する5日間に期待できそうだ。