初めての作品購入をサポート。「LUMINE ART FAIR –My 1_st Collection Vol.3–」が目指すものとは?
11月2日〜4日、第3回目の「LUMINE ART FAIR –My 1_st Collection Vol.3–」がニュウマン新宿のルミネゼロで開催された。アート初心者でも気軽に作品を購入することを目的にするルミネの取り組みを紹介する。
11月2日から4日までの3連休。大勢の人々でにぎわった新宿駅の新南口に直結するニュウマン新宿5階のルミネゼロで、アートフェア「LUMINE ART FAIR –My 1_st Collection Vol.3–」が開催された。
ルミネは、アートのある毎日を提供することを目指し、「LUMINE meets ART PROJECT」(略称「LMAP」)を2010年にスタート。アートウィンドウを設置したり、エレベーターのアートラッピングを手がけたり、また公募によるアワードを実施し、数百人もの応募者が集まるような大規模な企画を行うなど、多岐にわたる活動を展開してきた。
今回のアートフェアは、「LMAP」の一環として、2019年に第1回目が開催。コロナ禍の影響で2回目は昨年に実現し、今年は3回目の開催となった。
同フェアのディレクターを務めるのは、ニューヨークの「NowHere」と東京の「Otherwise Gallery」(旧hpgrp GALLERY TOKYO)を立ち上げた戸塚憲太郎。「私たちのフェアではアートフェアに対する敷居を下げ、価格も手頃にすることで、『初めてアートを購入する』という体験を提供したい。ルミネで初めてアートに触れる機会を持ってもらえたら」と述べている。
同フェアは昨年から、ギャラリーが出展するのでなく、アーティストが約2.5×3メートルの壁を使って作品を展示する形式を採用。今年は約30名のアーティストが参加し、絵画、写真、立体作品など幅広いジャンルの作品が展示された。
例えば、都築まゆ美は、鉛筆画をもとにしたリソグラフ作品や油彩画を制作しており、日常の風景に潜む非日常を表現。前田麦は、インターネットでダウンロードできる取扱説明書をもとに独自のアレンジを加えた「トリセツ」シリーズを展示した。また、会期中の3日と4日には前田をはじめとする4名のアーティストがワークショップも開催し、前田は自身が収集した様々なスタンプを参加者が使い、独自の絵をつくる体験イベントを行った。
また、美術館や展覧会で廃棄された素材を用いて家具として再生するアーティストユニット「副産物産店」の作品も会場で展示。サステナブルな視点を持ちながら、アートの枠を超えて、環境や社会に対する意識を喚起するものとなった。