GINZA SIXの吹き抜けで見るオピーの最新作《Marathon. Women.》
銀座エリアにある商業施設「GINZA SIX」の中央吹き抜け空間。ここを飾る新たな巨大アートとして、ジュリアン・オピーの最新作《Marathon. Women.》が登場した。

これまで草間彌生や塩田千春、名和晃平といったビッグネームのアーティストたちが展示を行ってきた「GINZA SIX」の中央吹き抜け空間。この場所に、イギリスを代表する現代美術家、ジュリアン・オピーの最新作《Marathon. Women.》(2025)が登場した。
オピーは1958年イギリス・ロンドン生まれ。83年ロンドン大学ゴールドスミス校を卒業。点と線という極めてシンプルな要素で構成された独特の表現体系は、ひと目でオピーによるものであると認識ができる。
本作は、吹き抜け空間に浮かぶように設置されたLEDサイネージを舞台に、カラフルでシンプルな線で描かれた7人の女性ランナーたちの姿がそれぞれ実際の速度でエンドレスに駆け抜けていく、初の「宙に浮かぶ」映像の大型インスタレーションだ(なお、オピー初のLED作品は東京の電通本社ビルに設置されている)。

どんなプロジェクトにおいても、まずはバーチャル上でその空間を再現し、どのような機能であればその空間を使えるかを考えるというオピー。本作については「GINZA SIXは美術館でもギャラリーでもない独特の空間。見え方もこれまでとまったく異なる」としつつつ、「どんな作品においてもその空間に合う、見ていて楽しい完璧なものをつくりたいと考えており、ぴったりなものができた」と自信をのぞかせる。
買い物をしている体験のなかに溶け込むような鑑賞体験をしてほしいと語るオピー。「この作品には物語もスタートも終わりもない。あなたが見始めたときが始まりであり、好きなように鑑賞してもらいたい」とオピーが語るように、各フロアの様々な場所から、異なる角度で作品を楽しむのが正解だ。