いまなお受け継がれるマリー・アントワネットの美学とは? V&Aサウス・ケンジントンで「マリー・アントワネット・スタイル」が開催中
ロンドンのV&Aサウス・ケンジントンで、イギリス初のマリー・アントワネットをテーマにした大規模な展覧会「マリー・アントワネット・スタイル」が開催中だ。2026年夏には日本への巡回が決定している同展の様子をレポートする。

現在も影響を与え続けるスタイルを検証
「マリー・アントワネット・スタイル」は、その名の通り18世紀のフランス王妃マリー・アントワネットが独自の美意識によって生み出し、その後何度もリバイバルを繰り返したスタイルを検証する展覧会だ。当時のファッションアイコンであり「セレブリティ」でもあった彼女は、250年以上にわたってファッションやデザインはもちろん、映画、装飾芸術にまで影響を与え続けている。展示総数は250点以上。中には彼女が暮らしたヴェルサイユ宮殿から貸し出され、フランス国外では初めて公開される貴重なアイテムも含まれる。

(C) Château de Versailles, Dist. Grand Palais RMN Christophe Fouin
豪華な品々を一堂に展示
展示はまず「マリー・アントワネット:スタイルの起源」と題されたセクションから始まる。ギャラリー内は宮廷での舞踏会を思わせる照明のもと軽やかな音楽が流れ、フォーマルなものからインフォーマルなものまで、様々な様式のドレスがずらりと陳列されている。

(C) Victoria and Albert Museum, London
きらびやかなドレスの数々とともに、驚くほど豪華で精巧なアントワネットの宮廷のドレス用刺繍のサンプルや靴、アクセサリーも展示されている。

撮影=筆者

撮影=筆者