EXHIBITIONS

再興第109回 院展

井手康人(同人) 月乃神

 北九州市立美術館 本館で「再興第109回 院展」が開催されている。

 院展を主催する日本美術院は、1898年(明治31年)、岡倉天心の指導理念のもと、橋本雅邦、横山大観、下村観山、菱田春草ら26名の正員によって創設された日本画の研究機関である。西洋美術の流入によって衰退しつつあった日本の伝統美術の復興と革新を標榜し、新しい日本画の創造を目指した。一時、経営難から活動休止となるが、天心の一周忌を機に大観らが中心となって再興。以来「芸術の自由研究を主とす 教師なし先輩あり 教習なし研究あり」の精神で多くの画家たちが研鑽を重ね、近代日本画の発展を支えてきた。

 109回を数える本展では、日本美術院同人作家の新作33点をはじめ、受賞作品、および九州在住作家の入選作品を含む62点を展示。気鋭の若手から大家まで多彩な作品が一堂に会する。