大﨑土夢「制作の定理、ペインティングの真円」

　Gallery Commonで、大﨑土夢による個展「制作の定理、ペインティングの真円」が開催されている。

　大﨑土夢は福岡県生まれ。現在は東京と福岡を拠点に活動。自身の経験や体験をインスピレーションに、記憶や思い出、言葉の連想から様々なモチーフを選び、ひとつの画面内に複数の異なる技法が同居する絵画作品を制作している。

　大﨑は多数の作品を同時進行で手がけ、モチーフを散布するように画面に散りばめる。これを「散布考」と呼んでいる。「交通事故」シリーズの一連の作品には、運命を司る女神・クロートーの彫刻と、大破する事故車両が同じ画面に描かれる。安定（重厚なギリシア彫刻）と不安定（高速道路でのカークラッシュ）という相反する要素が同居。画面に添えられたクロソイド曲線は、高速道路のカーブ設計に世界中で用いられ、その語源は《クロートー》に由来する。

　本展では、制作のために参加した10日間の瞑想体験をもとにした大作を含む新作を発表している。