コンストラクション －タテモノとカタチ－ 現代日本画展

　郷さくら美術館で「コンストラクション －タテモノとカタチ－ 現代日本画展」が開催されている。

　コンストラクション（＝建築・建設）とは、主に土、石、木、金属、ガラス、コンクリートといった多様な素材を用いて建物を建てる、橋を架ける、道路をつくるなど、建設することを意味する。世界各地の歴史のなかで形づくられてきた様々なこれらの建築物は、世界遺産に指定されたものや、人々の生活のなかで日常的に使われるものまで多岐にわたる。実用性に加え、時代や文化を反映した美的価値も備えており、古くから絵画においてモチーフとして描かれてきた。

　こうした背景から、コンストラクションは、芸術の分野において「構成」や「構造」に着目する際にも用いられる言葉となっている。建築物そのものを描いた作品はもとより、建築空間や構成を絵画表現ならではの視点からとらえた作品が数多く制作されている。

　本展では、国内外の建築物に着目して制作された現代日本画を展覧。シンメトリックな建築構造や、幾何学的でリズミカルな建築空間、静謐な空気がただよう建築風景など、多彩な視点で描かれた作品が並ぶ。それぞれの作品の表現を比較しながら、建築物の構造の魅力を堪能してほしい。

　出展作家は、池内璋美、岩永てるみ、佐藤晨、清水由朗、下田義寬、長澤耕平、並木功、西田俊英、丹羽貴子、平松礼二、村居正之、村田林藏、米谷清和、吉井東人ほか。

　また、同時開催「桜百景 vol.41」では、「タテモノと桜」と題し、桜と建物の共演を楽しむことができる。

　満開の桜の作品を展示する「桜百景」は、桜の名所である目黒川のほとりに位置する同館の来場者に、「お花見」を楽しんでもらうための展示室として設置されている。

　今回の出展作家は、大河原典子、石原孟、顧洛水、伊達良、中島千波、宮下真理子ほか。