EXHIBITIONS

開館30周年記念展 後期

写真と肖像 顔から風景へ

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 清里フォトアートミュージアム(KMoPA)で、開館30周年記念展後期「写真と肖像 顔から風景へ」が開催されている。

 開館記念展は、若い写真家たちを刺激し激励することを目的とした「25人の20代の写真」展から始まった。30周年記念展である本展は、そのオマージュの意味も込め、1万点以上に及ぶKMoPAコレクションのなかから「25人のU35(35歳以下)の写真」を新たな視点で厳選し、写真の原点、そして同館の原点を見直す展覧会を、2期に分けて開催。前期の「冒険」に続く本展では、「肖像」がテーマとなる。

 写真が発明されていなかった頃の肖像画は、生きた証、理想像、権力の誇示など、時代背景や目的に応じて描かれてきた。写真が発明されたことで、安価で短時間でできる肖像写真の需要は一挙に高まる。当初、写真には写実性が求められたが、絵画と同じく、記憶をとどめ、内面世界を表現し、尊厳を訴え、社会的存在として写しだすなど、様々な試みが行われてきた。

 本展では、肖像をテーマに、自己と他者、社会、風景の重層的な関係を見る。ゲストキュレーターに、楠本亜紀(Landschaft/インディペンデント・キュレーター、写真批評家)。

 出品作家は、エドワード・シェリフ・カーティス、ブラッサイ、森山大道、山元彩香、渡辺浩徳、ジョー・アン・キャリス、パトリシア・シュワルツ、アリョーナ・ランダーロワ、マリー・ヴェングラー、ルー・ユーファン、エメット・ゴーウィン、奈良原一高、瀬戸正人、山本雅紀、アダム・パンチュク、林典子、G.M.B. アカシュ、桑原史成、星玄人、田代一倫、植田正治、ハンネ・ファン・デル・ワウデ、桑島生、北島敬三、ロバート・フランク。