EXHIBITIONS

阿弥陀仏 ―おわす・みちびく・あらわれる―

2025.09.13 - 12.28

阿弥陀如来立像 平安時代 12世紀

 半蔵門ミュージアムで「阿弥陀仏 ―おわす・みちびく・あらわれる―」が開催される。

 本展は、西方極楽浄土の教主である阿弥陀如来に焦点をあてる特集展示。大乗仏教においては宇宙に多くの仏陀が存在し、それぞれが仏国土を治めているとされ、仏国土は「清らか」であることから「浄土」とも呼ばれる。阿弥陀如来が主宰する浄土は「極楽」と称され、そこには苦しみがなく、楽しみに満ちているとされる。阿弥陀如来は極楽に往生を願う者を迎えるという誓願を立てており、それゆえに深い信仰を集めてきた。

 阿弥陀信仰は日本には飛鳥時代に伝わり、奈良時代には彫像や大画面の浄土図が作られていたと記録されている。平安時代前期には密教の伝来により、阿弥陀如来は曼荼羅に西方を象徴する仏として登場し、後期には末法思想の影響を受け、極楽往生を願う信仰が高まった。これに伴い、阿弥陀如来と向き合い修行するための阿弥陀堂が各地に建てられ、来迎図にも多様性が見られるようになった。

 鎌倉時代には浄土宗や浄土真宗など、阿弥陀信仰を中心とする宗派が登場し、「口称念仏」により阿弥陀如来の名を唱える修行法が普及した。本展では、修復が完了した三尺の阿弥陀如来像の公開を皮切りに、浄土真宗の本尊である方便法身像や、観音菩薩・勢至菩薩を伴った阿弥陀三尊来迎図、さらに奏楽菩薩を含む阿弥陀聖衆来迎図などを紹介する。