EXHIBITIONS

キュレトリアル・スタディズ16:荒木悠 Reorienting

―100年前に海を渡った作家たちと―

2025.10.07 - 12.07
 京都国立近代美術館で「キュレトリアル・スタディズ16:荒木悠 Reorienting ―100年前に海を渡った作家たちと―」が開催される。

 荒木悠は1985年生まれのアーティスト・映画監督。2007年にワシントン大学サム・フォックス視覚芸術学部彫刻専攻を卒業後、10年に東京藝術大学大学院映像研究科メディア映像専攻修士課程を修了した。文化の伝播や異文化の出会い、そこに生じる誤訳や誤解の可能性に関心を寄せており、近年の映像インスタレーションでは歴史と空想のあいだに差異を見出し、再現・再演・再生の表現手法をもちいて探究している。

 この展覧会では、荒木の新旧作品と越境する眼差しを、京都国立近代美術館のコレクションから同館研究員が選んだ国吉康雄(1889〜1953)、石垣栄太郎(1893〜1958)、野田英夫(1908〜39)という、3人の「日系移民作家」の作品にかさねる。そして移動と越境、表現の関係を掘り下げながら、過去と現在を照らしあう。荒木作品と京都国立近代美術館コレクションあわせて計20点以上を展覧する本展は、複雑な世界でともに生きる一人ひとりの現在地と進む先を見つめるきっかけになるだろう。