EXHIBITIONS

大黒貴之「A Part for the Whole」

2020.12.08 - 12.25

大黒貴之 Cosmos(indoor No.02) 2020 © Takayuki Daikoku

大黒貴之 Folded Drawings with dots(white-90-90-#01) 2020 © Takayuki Daikoku

大黒貴之 Folded Drawings with dots(red-40-30-#01) 2020 © Takayuki Daikoku

大黒貴之 Folded Drawings with dots(white-29.7-21.0-#01) 2020 © Takayuki Daikoku

 彫刻家・大黒貴之の2年ぶりとなる個展「A Part for the Whole」がMARUEIDO JAPANで開催される。

 大黒貴之は1976年滋賀県生まれ、99年大阪芸術大学芸術学部美術学科卒業。2001年に同大学大学院芸術制作研究科造形表現Ⅱ(彫刻)を修了後、03年までドイツ・ベルリンを拠点に活動する。帰国後、11年に再び渡独し、合計約6年半のドイツ滞在のなかで、彫刻をはじめ、ドローイングやインスタレーションなどを発表。現在は生家の近江八幡に戻り、精力的に制作を続けている。

 ドイツでの滞在中、環境・文化・デザインなどから受けた影響は、それまでの大黒の作品の有機性を帯びた彫刻フォルムに、論理的、数学的な美を加えた。制作ではつねに「両義の間に発生する揺らぎ」のようなものを意識し、2次元と3次元、内と外、静と動、自然、文化、人の心理など、相反する二項のあいだで揺れ動いている関係性、「間ー振動(かんーしんどう)」という観念を作品に転換している。
 
 本展では、16年にドイツから帰国後、大黒が展開を深めてきたフォールド・ドローイング・シリーズの新作「Folded Drawings with dots」と、ドイツ滞在中より発表してきた白彫刻と黒鉄枠の彫刻シリーズ「Cosmos(indoor No.02)」 などが展示される。

「自然の構造を観察するとシンプルなフォルムの集合体が、全体として個を形成しているようである。俯瞰的にみるとその全体さえも、さらに大きな全体のなかの一部であるように映る。私がイメージする相反する二項のあいだには、揺らぎのようなものが発生していように感じる。それは関係性、または出来事とも言えるだろう。あるいは『生命』のようなものなのかもしれない(大黒貴之)」。