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2026.7.1

山と一緒に楽しみたい美術館・アートスポットベスト10(東日本)

全国の美術館・博物館のなかには山とともに楽しめるスポットも少なくない。ここでは山も一緒に楽しめるミュージアムのなかから、東日本エリアでとくに注目したい10ヶ所をピックアップしてお届けする。※本記事は7月2日24時まですべての方に全文お読みいただけます。

ポーラ美術館
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国際芸術センター青森[ACAC](青森県青森市)

 青森市街を望む名峰・八甲田山。夏は登山、冬はスキーの名所として人気を集めるほか、1902年に起きた八甲田雪中行軍遭難事件の舞台となったことでも知られ、関連する資料館や碑も数多い。この八甲田山の山麓にあるのが、青森公立大学国際芸術センター青森(ACAC)だ。

青森公立大学国際芸術センター青森(ACAC)

 ACACは1991年の開館以来、国際性・地域特性のある優れた芸術文化の創作・発信の拠点として、様々な事業を展開してきた。国内外のアーティストを招いたアーティスト・イン・レジデンスプログラムを中心とした展示発表、アーティスト自身や専門家によるセミナー、シンポジウム、ワークショップなどを実施。芸術作品のつくり手であるアーティストと学生、市民との多様な交流を図ることで、青森市独自の新しい芸術文化をつくり上げることを目指す、独自性の高い企画も数多く開催されている。

住所:青森県青森市合子沢字山崎152-6
電話:017-764-5200
開館時間:9:00~19:00(展覧会は10:00〜18:00)
休館日:年末年始(12月29日〜翌年1月3日)

弘前れんが倉庫美術館(青森県弘前市)

 青森県内でもっとも高い山である岩木山。津軽地方の人々にとってはシンボルでもあり、古くから「お岩木山」「お岩木様」と慣れ親しまれてきた。8合目まで車で上れる津軽岩木スカイラインのほか、5つのコースから選べる登山道も整備されている。山麗には温泉が湧出しており、県外からの観光客も多く訪れる観光スポットとしても人気だ。

弘前れんが倉庫美術館

 そんな岩木山と同市内にあるのが弘前れんが倉庫美術館。同館は、明治・大正期の近代産業遺産「吉野町煉瓦倉庫」を改修し、弘前市初の公立美術館として2020年に開館。建築設計は田根剛が手がけている。築100年におよぶ煉瓦倉庫の面影を可能な限り残し、「記憶の継承」と風景の再生をコンセプトとした建築空間では、国内外の先進的なアートを紹介するとともに、弘前市と東北地域の歴史、文化と向き合う同時代の作品を展示している。

 また併設されているカフェ・ショップでは、オリジナルのアップルパイや県産りんごを使用したお酒「シードル」を楽しめるほか、同館オリジナルのグッズや津軽地域の工芸品など、弘前ならではの商品をお土産として購入することもできる。

住所:青森県弘前市吉野町2-1
電話:0172-32-8950
開館時間:9:00~19:00
休館日:火(祝日の場合は翌平日)、年末年始

原美術館 ARC(群馬県渋川市)

 原美術館ARCは、群馬県渋川市、上毛三山のひとつに数えられる榛名山麓の高原に位置する美術館。2021年1月に東京での活動を終えた原美術館と、1988年に別館として群馬に開館したハラ ミュージアム アークの両館が統合され、ハラ ミュージアム アークを「原美術館ARC」と改称し、同地にて2021年4月にリニューアルオープンした。

原美術館ARC

 展覧会では、1950年代以降の現代美術作品約1000点で構成される「原美術館コレクション」、国宝・重要文化財を含む東洋古美術の「原六郎コレクション」を中心に多彩な美を紹介。草間彌生束芋の大型インスタレーション、東京の原美術館より移設された奈良美智宮島達男森村泰昌の作品も常設展示されている。また「建築界のノーベル賞」とも言われるプリツカー賞を2019年に受賞した建築家・磯崎新の手による建築も見どころのひとつだ。

住所:群馬県渋川市金井2855-1
電話:0279-24-6585
開館時間:9:30~16:30(入館は閉館30分前まで)
休館日:木(祝日と8月を除く)、展示替え期間、1月1日、冬季

ポーラ美術館(神奈川県箱根町)

 「箱根の自然と美術の共生」をコンセプトに2002年、神奈川県箱根町に開館したポーラ美術館。同館は、江戸時代より東海道の難所として知られ、幾度もの噴火によって形成された箱根山のカルデラ内の森のなかにあり、豊かな土壌で育まれた自然とともにアートを楽しむことができる。

ポーラ美術館

 同館のコレクションは、ポーラ創業家2代目の鈴木常司が40数年間にわたり収集した、西洋絵画、日本の洋画、日本画、版画、東洋陶磁、ガラス工芸、古今東西の化粧道具など幅広く体系的なコレクションだ。クロード・モネ、ピエール=オーギュスト・ルノワール、パブロ・ピカソなど印象派から20世紀にかけての西洋絵画を中心とした、国内屈指のコレクションを核とする展覧会を開催するいっぽうで、ゲルハルト・リヒターロニ・ホーンをはじめとした現代美術の第一線で活躍する国際的な作家たちの作品も収集・展示し、同時代の表現へと展望を拡げている。

住所:神奈川県足柄下郡箱根町仙石原小塚山1285
電話:0460-84-2111
開館時間:9:00~17:00
休館日:無休(展示替えによる臨時休館あり)

鋸山美術館(千葉県富津市)

 千葉の安房郡と富津市の境に位置する鋸山(のこぎりやま)は房州三名山として名高く、石切場としても古くより利用されてきた。外国人観光客にも人気のスポットとなっている巨大な観音像「百尺観音」をはじめ、山中に石仏が点在していることでも有名だ。

鋸山美術館

 この鋸山の麓、金谷にある美術館が鋸山美術館だ。2010年に金谷美術館としてオープンし、「石と芸術」をテーマとして町おこしに取り組む金谷の「芸術」のシンボルとなった。以来、篤志家から寄贈された品々や地域に代々伝わる美術品などを中心に金谷ならではの企画展を開催している。また別館の石蔵「鋸山資料館(国登録有形文化財)」では、鋸山の房州石の歴史展示を行っており、こちらも見逃せない。   

住所:千葉県富津市金谷2146-1
電話:0439-69-8111
開館時間:10:00~17:00(入館は16:30まで)
休館日:火(祝日の場合は翌平日)、年末年始(12月25日〜1月1日)、展示替え期間

清春芸術村(山梨県北杜市)

 吉井画廊の創設者である吉井長三が1980年にオープンさせた清春芸術村は自然のなかで美術に触れることができる施設。八ヶ岳や南アルプスなど、周囲の山々を望むことができ、夏でも高原の風が心地よいアートスポットだ。

清春芸術村のラ・リューシュ

 中心部にあるのは、1900年に開催されたパリ万国博覧会のパビリオンを模した、アーティストのための創作の場「ラ・リューシュ」。加えて、谷口吉生の設計による「清春白樺美術館」は、白樺派が愛したジョルジュ・ルオーの作品をはじめ、東山魁夷や梅原龍三郎、岸田劉生、バーナード・リーチ、中川一政といった美術家たちの作品を展示している。

 また、ジョルジュ・ルオーを記念して建てられた礼拝堂「ルオー礼拝堂」は、ルオー自身が制作・彩色したステンドグラスやキリスト像があしらわれており、静謐な雰囲気を楽しむことができる。加えて藤森照信の設計による茶室「茶室 徹」や、安藤忠雄による「光の美術館」、内田奈緒による「遊びの塔」など著名な建築家による建築も集まっている。

住所:山梨県北杜市長坂町中丸2072
電話:0551-32-4865
開館時間:10:00~17:00 ※入場は閉館の30分前まで
休館日:月(祝日の場合は翌火)
料金:一般 1500円 / 大学・高校生 1000円 / 中学・小学生 無料

河口湖美術館(山梨県南都留郡)

 河口湖美術館は、日本が世界に誇る富士山の麓に初めて開設された公立美術館だ。富士箱根伊豆国立公園内の自然豊かな土地に位置する同館は、1991年に開館。以来富士山を描いた絵画、版画、写真を中心に収集・展示を行っている。

河口湖美術 外観

 ギャラリ―スペースの奥には、高さ9メートルのガラスに囲まれた開放的な展望ラウンジが備わっている。春は桜や新緑、秋は紅葉など、季節ごとに表情を変える自然に囲まれた河口湖の景色を一望できる。併設されたミュージアムショップには、写真や書籍など富士山にまつわるグッズが多数取り揃えられている。

住所:山梨県南都留郡富士河口湖町河口3170
電話:0555-73-8666
開館時間:9:30~17:00 ※入場は閉館の30分前まで
休館日:火 
料金:[企画展]一般・大学生 800円 / 中学生・高校生 500円 / 小学生以下 無料[所蔵品展]一般・大学生 500円 / 中学生・高校生 300円 / 小学生以下 無料

長野県立美術館(長野県長野市)

 国宝・善光寺に隣接する城山公園内に1996年に開館した長野県信濃美術館は、老朽化に伴う全面改築にあわせて、2021年4月、隣接する善光寺門前の町並みや、信州の自然と調和した景観をつくり出す「ランドスケープ・ミュージアム」をコンセプトに、長野県立美術館として生まれ変わった。

長野県立美術館

 全面改築によって屋上部分に生まれた「風テラス」は、同館のランドマークのひとつ。このテラスからは善光寺とともに、古くから山岳信仰の舞台となり、修験道の場ともなった飯綱に連なる山々を望める。このオープンテラスでは、ライブパフォーマンスをはじめとしたイベントも実施。カフェも併設されており、鑑賞後に山並みを楽しむにはもってこいの場所となっている。

住所:長野県長野市箱清水1-4-4 善光寺東隣
電話:050-5542-8600
開館時間:9:00~17:00(入館は閉館の30分前まで)
休館日:水、年末年始(12月28日~1月3日)

美ヶ原高原美術館(長野県上田市)

 美ヶ原高原美術館は1981年に開館。標高2000メートル、長野県上田市の美ヶ原高原の一角にある野外彫刻美術館だ。北アルプスをはじめとする山並と、200種類以上の植物が群生する緑豊かな草原の大パノラマが広がる4万坪の展示場には、350点の現代彫刻を常設展示しており、山々を望みつつハイキング気分で彫刻を鑑賞することができる稀有なスポットだ。

美ヶ原高原美術館

 屋外展示場のほか、2つのギャラリーと「こども美術館」、ヨーロッパの中世の古城をイメージした「ビーナスの城」の室内展示場もあり、様々なアートを楽しむことができる。箱根・彫刻の森美術館の姉妹館。

住所:長野県上田市武石上本入美ヶ原高原2085-70
電話:0268-86-2331
開館時間:9:00~17:00(入館受付は閉館の30分前まで)
休館日:冬期(11月上旬~翌年4月下旬)※開館期間中(4月下旬~11月上旬)は無休

セゾン現代美術館(長野県北佐久郡)

 世界でも有数な活火山のひとつ、浅間山。1981年、その麓の軽井沢に開館したのがセゾン現代美術館だ。同時代の様々な実験的創造の場となる「時代精神の根拠地」として設立され、開館記念展では「マルセル・デュシャン」展を開催した。

セゾン現代美術館 撮影=加藤健

 展覧会は、国内外の現代美術によるコレクション展と企画展を開催。戦前のヨーロッパ美術、アメリカ抽象表現主義、戦後日本現代美術などをコレクションの中心とし、企画展では数々の同時代作家の作品を紹介してきた。

 美術館の建築は菊竹清訓による設計で、明るい自然光を感じながら外の緑を眺めることができる。美術館庭園は、川のせせらぎを聞きながら野外彫刻を巡る回遊式で、全体の基本構想は彫刻家の若林奮によるものだ。

 そんな同館は、2024年から2年間の休館を経て、今年6月26日にリニューアルオープンを果たした。新たに歩みをスタートした同館のこれからに注目したい。

住所:長野県北佐久郡軽井沢町長倉芹ケ沢2140
電話:0267-46-2020
開館時間:10:00~18:00(入館受付は閉館の1時間前まで)
休館日:無休(ただし、2026年8月24日〜9月4日は展示替えのため休館、9月5日〜11月3日は木)