誰もが知る「ダリ」を撮った男にフォーカス。諸橋近代美術館で「ダリとハルスマン」展が開催
誰もが知る、長い髭のサルバドール・ダリのポートレート。これを撮影した写真家、フィリップ・ハルスマンにフォーカスした展覧会「ダリとハルスマン」が、福島の諸橋近代美術館で開催。会期は9月6日まで。
1999年に開館した福島の諸橋近代美術館。20世紀を代表するシュルレアリスムの芸術家サルバドール・ダリ(1904~89)の作品346点を所蔵し、アジア最大級の規模を誇る。
そんな同館の開館20年記念展の第3弾が、「ダリとハルスマン」展だ。
フィリップ・ハルスマン(1906~1979)は、長い髭と見開いた目が特徴的なダリのポートレイトを撮影した写真家。ハルスマンによるポートレイトは長きにわたって世界中の雑誌の表紙を飾り、アメリカの『LIFE』誌では同誌史上最高の101回にわたり採用された。なかでも、人が飛んでいる姿を写したシリーズ「Jump」では、マリリン・モンローやオードリー・ヘップバーンをはじめ当時の政治家、作家、科学者など数多くのスターの本質をとらえている。
海外から作品を借用した同館初の写真展となる本展では、ダリとハルスマンの関係性にフォーカスし、日本初公開を含む60作品を展示。37年間におよぶふたりのコラボレーションの軌跡を、《ダリ・アトミクス》(1948)など20世紀を代表する写真によってたどることができる。
パソコンでの画像加工技術が登場する以前、慎重な演出と暗室技術によって、すべて手作業でつくられた作品の数々が一堂に会する本展。ダリとハルスマンの創造力とアイデア、その革新的な表現を楽しみたい。