2025.2.28

美術館建築を取り上げる企画展。「美術館建築 ― アートと建築が包み合うとき」が茅ヶ崎市美術館で開催

神奈川・茅ヶ崎の茅ヶ崎市美術館で、山口洋一郎、内藤廣、坂 茂、三分一博志、西沢立衛、坂倉準三、ル・コルビュジエ、高橋靗一+第一工房美術館建築を取り上げる企画展「美術館建築 ― アートと建築が包み合うとき」が開催される。会期は4月1日〜6月8日。

茅ヶ崎市美術館 建築=山口洋一郎 写真=洋建築企画
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 神奈川・茅ヶ崎の茅ヶ崎市美術館で、美術館建築を取り上げる企画展「美術館建築 ― アートと建築が包み合うとき」が開催される。会期は4月1日〜6月8日。

 本展の会場となる茅ヶ崎市美術館は山口洋一郎の設計。鳥が翼を広げたような屋根が特徴的な同館を舞台に、山口のほか、内藤廣、坂 茂、三分一博志、西沢立衛、坂倉準三、ル・コルビュジエ、高橋靗一+第一工房の設計による、8つの美術館建築を取り上げる。

島根県芸術文化センター 建築=内藤廣 写真=内藤廣建築設計事務所

 模型や設計図面に加え、初期アイデアスケッチ、建築素材、実験過程がわかる資料を通じ、その場所にその美術館がある意味を探る。会場では文化庁国立近現代建築資料館が所蔵するオリジナル図面を含む貴重な建築資料約70点も見どころとなりそうだ。

神奈川県立近代美術館(現・鎌倉文華館 鶴岡ミュージアム) 建築=坂倉準三 図面所蔵=文化庁国立近現代建築資料館

 本展はプロローグ・エピローグと全8章によって構成。プロローグでは範宙遊泳の劇作家・山本卓卓の言葉による美術館「空間の詩」が展開。第1章「地域を考える美術館」では茅ヶ崎市美術館を取り上げ、第2章「その地の素材や技術を活かす美術館」では、内藤廣の島根県芸術文化センターと坂 茂の下瀬美術館を特集。

下瀬美術館 建築=坂 茂 写真=平井広行

 第3章「自然を採り込む美術館」は三分一博志の犬島精錬所美術館と西沢立衛の豊島美術館を、第4章「次世代に伝えていく美術館建築資料」では坂倉準三の神奈川県立近代美術館(現・鎌倉文華館 鶴岡ミュージアム)とル・コルビュジエの国立西洋美術館、高橋靗一+第一工房の群馬県立館林美術館を取り上げる。

 そして第5章が「建築にまつわるオーラル・ヒストリー」として口述をとりあげ、エピローグ「近隣美術館への誘い」を玉井洋一(アトリエ・ワン パートナー)が担当する。

 本展会期中には建築家による講演会も多く開催される。内藤廣、西沢立衛、三分一博志、坂 茂、山口洋一郎が、茅ヶ崎公園体験学習センター うみかぜテラスと山口が設計した「木熨斗」を会場に講演や対談を行う。こちらは3月1日から申し込みの募集が開始されるので、詳細は同館ウェブサイトを参照してほしい。