2025.3.7

「NADiff a/p/a/r/t」最後の展覧会。Chim↑Pom from Smappa!Groupが飾る「ほたるのひかり」

恵比寿の「NADiff a/p/a/r/t」で、Chim↑Pom from Smappa!Groupの展覧会「ほたるのひかり」が開催する。会期は3月8日〜23日で、本展の最終日はNADiff a/p/a/r/tの最終営業日にもなる。

撮影=森田謙次
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 今年3月での閉店が予定されている恵比寿の「NADiff a/p/a/r/t」が、3月8日〜23日の会期でChim↑Pom from Smappa!Groupの展覧会「ほたるのひかり」を開催する。本展の最終日はNADiff a/p/a/r/tの最終営業日にもなる。

 NADiff a/p/a/r/tは、2008年7月7日に恵比寿でオープンし、初めての展覧会をChim↑Pomによる「日本のアートは10年遅れている 世界のアートは7、8年遅れている」で飾った。その展覧会では、ホワイトキューブとなるはずだった空間に「汚水」で床を水没させ、剥き出しの壁に落書きを施し、まるで廃墟のような状況で蛍を放つという、破天荒なインスタレーションとパフォーマンスが行われ、来場者を圧倒した。

撮影=森田謙次

 その後、NADiff a/p/a/r/tは17年間で146回の展覧会を開催。18年には10周年を迎え、再びChim↑Pomによる展覧会が行われ、オープン当初の壁画群が再登場。さらに、地下に汚水の池をつくり、仮設のトイレとともに「恵比寿の泉」というインスタレーションが展開された。

 そして、ギャラリーの最終章を飾るものとなる今回の「ほたるのひかり」展では、地下階に封じ込められていた壁画群が再び公開され、その壁画を覆っていた白壁が展示の中心となる。また、これまで本や商品が販売されてきた1階では、地下から掘り出された「物質」や、昨年の雨漏りで傷んだChim↑Pomの倉庫から出てきた「掘り出し物」が並ぶガレージセールも開催される。これらのアイテムは、観客が手にすることで新たな意味を持ち、作品や場所の歴史を反映した「物語」として広がるだろう。

NADiff a/p/a/r/t 店内

 「ほたるのひかり」という展覧会タイトルは、NADiff a/p/a/r/tがオープン時に放った蛍に由来するとともに、閉店そのものを象徴している。2008年の開店当初に掲げられた「日本のアートは10年遅れている 世界のアートは7、8年遅れている」という言葉や、その後の17年間にわたる多くの展覧会が、NADiff a/p/a/r/tの歴史をかたちづくった。

 さらに、3月15日にはChim↑Pom from Smappa!Groupによるトークイベントも開催される予定。2008年当時から18年の10周年記念展、そして今回の「ほたるのひかり」に至るまでの展示制作のエピソードや、ガレージセールに並ぶ「掘り出し物」の思い出、さらには日本と世界のアートについて、メンバー全員が語り合う貴重な機会となる。