プシュパマラ・Nの個展「Dressing Up: Pushpamala N」がシャネル・ネクサス・ホールで開催。女性像と国家の歴史にイメージで迫る
東京・銀座のシャネル・ネクサス・ホールで、インド出身のアーティスト、プシュパマラ・Nの個展「Dressing Up: Pushpamala N」が開催される。会期は6月27日〜8月17日。

東京・銀座のシャネル・ネクサス・ホールで、インド出身のアーティスト、プシュパマラ・Nの個展「Dressing Up: Pushpamala N」が開催される。会期は6月27日〜8月17日。

プシュパマラは、インドのバンガロール(現ベンガルール)を拠点に活動するアーティスト。当初、彫刻家として始まった創作活動を写真や映画へと移行させ、1990年代半ばから自らがさまざまな役柄に扮して示唆に富んだ物語をつくり上げるフォト・パフォーマンスやステージド・フォトの創作を始めた。その作品は、女性像の構築や国家の枠組みを探求するもので、美術史、アーカイヴ資料、大衆文化から引き出された象徴的なイメージや原型を再現している。

プシュパマラの制作は基本的に共同作業で行われる。作家が共鳴する既成のイメージを特定し、自身のスタジオで再現。友人やアマチュアのキャスト、技術者へ指示をし、細部まで計算されたシーンを制作。アナログで演劇のように構成された演出が作為性を強調させ、そのイメージを成立させている枠組みに意識を向けさせる。このようにしてプシュパマラ・Nは、歴史的・文化的な背景を持つイメージをあえて再現することで、その成り立ちを浮き彫りにし観る者に「真実とは何か」を問いかけているといえる。
