2025.6.12

国宝大鎧の双璧が史上初めての並列展示。春日大社で特別展「究極の国宝 大鎧展─日本の工芸技術の粋を集めた甲冑の美の世界─」開催へ

奈良にある世界遺産・春日大社が、特別展「究極の国宝 大鎧展─日本の工芸技術の粋を集めた甲冑の美の世界─」を国宝殿で開催する。会期は7月5日~9月7日。

春日大社所蔵 国宝 赤糸威大鎧(竹虎雀飾)
前へ
次へ

 奈良にある世界遺産・春日大社が、特別展「究極の国宝 大鎧展─日本の工芸技術の粋を集めた甲冑の美の世界─」を国宝殿で開催する。会期は7月5日~9月7日。

 金工、漆工、染織など複数の分野にまたがる工芸作品の集合体である甲冑。とくに平安時代後期から南北朝時代にかけてつくられた大鎧はもっとも格式が高く、上級武将の料として用いられることから「式正の鎧」ともいわれている。春日大社には日本を代表する甲冑として知られる国宝 赤糸威大鎧(梅鶯飾)と国宝 赤糸威大鎧(竹虎雀飾)があり、この二領の大鎧には金工技術の粋を極めた絢爛豪華な飾金物が施されている。

 本展では、大鎧のなかでも飾金物が施された大鎧に注目するもの。国宝指定の甲冑類18点(2025年3月末現在)のうち半数の9点が出展される。

 なかでも見どころは、“国宝 大鎧の双璧”とも称される春日大社所蔵の赤糸威大鎧(竹虎雀飾)と、青森・櫛引八幡宮所蔵の赤糸威鎧(菊一文字の鎧兜)の史上初の並列展示だ。赤糸威大鎧(竹虎雀飾)は源義経奉納と伝えられるもの。いっぽう赤糸威鎧(菊一文字の鎧兜)は南朝方から南部家に伝承された豪華な大鎧だ。

春日大社所蔵 国宝 赤糸威大鎧(竹虎雀飾)
櫛引八幡宮所蔵 国宝 赤糸威鎧(菊一文字の鎧兜)

 このほか、本展には国宝 赤糸威大鎧(梅鶯飾)や国宝 黒韋威矢筈札胴丸、国宝 黒韋威胴丸などが出品。主催者は「これだけの鎧が揃う展覧会はおそらくこれが最後になるだろう」としている。

春日大社所蔵 国宝 赤糸威大鎧(梅鶯飾)
春日大社所蔵 国宝 黒韋威矢筈札胴丸 ※前期展示
春日大社所蔵 国宝 黒韋威胴丸 ※後期展示
日御碕神社蔵 国宝 白糸威鎧(兜、大袖付)
画像提供=東京国立博物館 Image:TNM Image Archives ※前期展示
春日大社蔵 国宝 籠手 ※前期展示
岡山県立博物館所蔵 国宝 赤韋威鎧(兜・大袖付) ※後期展示

 なお本展では、株式会社カプコンの大人気ゲーム「モンスターハンター」シリーズとコラボレーションしたビジュアルも展開。ひとつは春日大社表参道の二之鳥居前に出現した「ジンオウガ」と、ハンターたちが対峙しているビジュアルで、ハンターの一人は春日の神の使いである鹿を守っている。もうひとつは釣燈籠が並ぶ春日大社の朱塗りの回廊で、アイルーたちが記念撮影するもの。会期中、2点のビジュアルが春日大社国宝殿前に掲出され、国宝殿内では、「モンスターハンター」シリーズと本展覧会がコラボした限定オリジナルグッズが販売される。

©︎CAPCOM
©︎CAPCOM