2025.7.3

アレックス・カッツの個展「Four Seasons」がSCAI PIRAMIDEで開催。90年代以来の東京での公式個展

東京・六本木のSCAI PIRAMIDEでアレックス・カッツの個展「Four Seasons」が開催される。会期は8月29日〜10月18日。

アレックス・カッツ Summer 17 2023 麻に油彩 121.9×182.9cm 協力:SCAI THE BATHHOUSE Alex Katz is represented by GRAY Chicago/New York

 東京・六本木のSCAI PIRAMIDEで、今年98歳を迎えるペインター、アレックス・カッツの個展「Four Seasons」が開催される。会期は8月29日〜10月18日。

 アレックス・カッツは、1927年ニューヨーク・ブルックリン出身。54年に作品を発表し始め、以来、絵画、ドローイング、彫刻、版画など、様々な作品を生み出してきた。初期の作品は、テレビ、映画、広告など、ミッドセンチュリー期のアメリカの文化や社会の様々な側面からインスピレーションを得ており、過去半世紀において、確固たる画家としての地位を確立した。特徴的なストローク、多様な色彩、洗練された構図を駆使し、抽象と具象の両方の側面を併せ持つ、独特なリアリズムを生み出している。

 おもな展覧会に、「Seasons」(ニューヨーク近代美術館、2024)、「Claire, Grass and water」(ベニス、ジョルジョ・チーニ財団、2024)、「Wedding Dress」 (ポートランド美術館、2023)、「Gathering」 (ソロモン・R・グッゲンハイム美術館、ニューヨーク、2022)、「Alex Katz」 (フォーサン・ファンデーション、上海、2020)、「Focus on Alex Katz」(ダラス美術館、2019)、「Alex Katz at the Met」 (メトロポリタン美術館、ニューヨーク、2015)、「Artist Rooms」(テートモダン、ロンドン、 2014)など。作品は世界各国の主要美術館に収蔵されている。

 カッツが2022年に始めた最新シリーズ「 Seasons」は、四季の移ろいを即興的な手法でとらえ、iPhoneで撮影したスナップショットと簡単なスケッチから、広いキャンバスへと変換されるもの。地平線をとり除くことで空間の制約からキャンバスを開放し、力強いフォルムと色彩の世界を現出させる。制作においては即時性を優先し、知覚を時間的な行為と捉えるというカッツの信念を反映している。

 東京で90年代以来の公式個展である本展では、同シリーズより、春夏秋冬の四季を描いた作品を展示。特有の色彩とストローク、リアリズムを見ることができそうだ。