「あ!っと北斎~みて、みつけて、みえてくる浮世絵~」(すみだ北斎美術館)開幕レポート。“あ!”の驚きから始まる北斎の世界
すみだ北斎美術館で、「あ!っと北斎~みて、みつけて、みえてくる浮世絵~」展が開幕。葛飾北斎の浮世絵に込められた驚きの「仕掛け」を楽しむ展覧会だ。

すみだ北斎美術館で、「あ!っと北斎~みて、みつけて、みえてくる浮世絵~」展が始まった。会期は8月31日まで。
本展は、江戸時代を代表する浮世絵師・葛飾北斎の作品に潜む“驚き”や“気づき”に焦点を当て、浮世絵の新たな楽しみ方を多角的に提案するもの。展示は「みる」「みつける」「みえてくる」という3つのキーワードを軸に構成されており、来場者が能動的に作品と向き合うことで、北斎や浮世絵に対する理解を深められるよう工夫されている。

展覧会の導入部となるプロローグでは、浮世絵とはどのようなもので、葛飾北斎がいかなる人物であったかを、豊富なビジュアルとわかりやすい解説で紹介。もともとは仏教用語であった「浮世」という言葉が、江戸時代には「今風」や「現代風」といった意味合いを持つようになり、庶民の日常や風景、美人画、役者絵など多彩な主題を描いた大衆芸術として発展していった過程を紐解く
本章では、絵師が筆で直接描いた「肉筆画」と、彫師や摺師との分業により制作される「版画」の違い、さらに「錦絵」や「版本」といった形式についても、実物資料や図解を通じて学ぶことができる。また、木版印刷技術の発展によって浮世絵が大量に普及していった歴史や、それを支えた職人たちの役割の重要性にも光が当てられている。