2026.3.12

「―モンスーンに吹かれたように―」(岐阜県美術館)が開催。アフリカとアジア、移動と交流がもたらす表現の転換

岐阜市の岐阜県美術館で、アフリカに関わる現代美術を中心に、両地域のダイナミックな交流の足跡をたどる企画展「―モンスーンに吹かれたように― 大移動と交流のアフリカ‐アジアの現代美術」が開催される。会期は3月13日〜6月14日。

ワンゲシ・ムトゥ あらゆるものを食らうはてに(映像の部分) 2013 Wangechi Mutu ”The End of eating Everything ,(still of the film)”  2013 Courtesy of the artist
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 岐阜市の岐阜県美術館で、アフリカに関わる現代美術を中心に、両地域のダイナミックな交流の足跡をたどる企画展「―モンスーンに吹かれたように― 大移動と交流のアフリカ‐アジアの現代美術」が開催される。会期は3月13日〜6月14日。

 古くから季節風(モンスーン)を利用したインド洋越えの交流があったアフリカとアジア。岐阜ゆかりの武将・織田信長に仕えたアフリカのモザンビーク出身とされる弥助の存在は、その象徴的な一例といえる。本展では、現代において活発化する移動と交流が生み出す、表現や視点の転換に着目する。

石川真生「アカバナ―」(1975‐77)より ©Mao Ishikawa
チェ・ウォンジュン 三姉妹、坡州(「キャピタル・ブラック」より) 2021 Che Onejoon "Three Sisters, Paju" in “Capital Black,”  2021 Courtesy of the artist

 会場では、アフリカにルーツを持つ作家や、アフリカとの関わりの中で制作を行う現代美術家たちの作品を紹介。ケニア出身のワンゲシ・ムトゥによる物質主義や抑圧への反乱を思わせる映像作品、エチオピアのエリアス・シメによる技術革新と環境のバランスを問う作品、さらにはジンバブエで育った吉國元や、ガーナにルーツを持つなみちえなど、多様な背景を持つ作家たちが名を連ねる。

ワンゲシ・ムトゥ あらゆるものを食らうはてに(映像の部分) 2013 Wangechi Mutu ”The End of eating Everything ,(still of the film)"  2013 Courtesy of the artist
エリアス・シメ タイトロープ・モバイル(部分) 2009‐14 Elias Sime "Tightrope Mobile" (part) 2009‐14 Courtesy of the artist and James Cohan, New York Photo:Adam Reich タグチアートコレクション/タグチ現代芸術基金

 ほか出品作家は石川真生、フィエル・ドス・サントス、ジョエル・アンドリアノメアリソア、チェ・ウォンジュン、長谷川愛、マフディ・エシャーエイ。

吉國元 バ・アブの肖像(『MOTOマガジン vol.002』より) 2022
なみちえ こあ(心に愛のある犬) 「Kigroom」より 2023 撮影=片岡佑太

 また、現代作品だけでなく、アフリカ人が描かれた江戸時代初期の《南蛮屏風》や《相撲遊楽図屏風》(いずれも堺市博物館蔵)が特別出品されるほか、同館所蔵のティンガティンガ絵画もあわせて展示される。移動によって生まれるアイデンティティを見つめ直し、人類の持つ創造性の豊かさを捉え直す機会となるだろう。

相撲遊楽図屏風(六曲一隻) 江戸時代(堺市博物館蔵) 特別出品・前期展示 ※会期中展示替えあり
南蛮屏風(六曲一双) 江戸時代(堺市博物館蔵) 特別出品・後期展示 ※会期中展示替えあり