2026.7.3

今週末に見たい展覧会ベスト27。「アンドリュー・ワイエス」展から「トニー・アウスラー」展まで

今週閉幕する/開幕した展覧会のなかから、とくに注目したいものをピックアップしてお届け。なお、最新情報は各館公式サイトを参照してほしい。

THE MONSTERS 10周年記念展 東京「MONSTERS BY MONSTERS: NOW AND THEN」展示風景より
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もうすぐ閉幕

東京都美術館開館100周年記念「アンドリュー・ワイエス」展(東京都美術館

 アンドリュー・ワイエス(1917〜2009)の没後日本初となる回顧展「東京都美術館開館100周年記念 アンドリュー・ワイエス展」が開催されている。会期は7月5日まで。レポートはこちら。なお、本展は豊田市美術館(7月18日〜9月23日)、あべのハルカス美術館(10月3日〜12月6日)に巡回する。

展示風景より、アンドリュー・ワイエス《オルソンの家》(1966)水彩、紙

 ワイエスは、20世紀アメリカ具象絵画を代表する画家だ。二次世界大戦後に脚光を浴びたアメリカ抽象表現主義、ネオ・ダダ、ポップアートといった動向から距離を置き、ひたすら自分の身近な人々と風景を描き続けた。その作品は眼前にある情景のたんなる再現描写にとどまるものではなく、作家自身の精神世界が反映されたものとなっている。

 同展は、その「境界」の表現に着目して、ワイエスが描いた世界を見つめることを試みるものとなる。ホイットニー美術館(ニューヨーク)の《冬の野》(1942)、フィラデルフィア美術館の《冷却小屋》(1953)、フィルブルック美術館(オクラホマ)の《乗船の一行》(1984)をはじめ、10点以上が日本初公開。あらためてワイエスの魅力に触れる機会となるだろう。

会期:2026年4月28日~7月5日
会場:東京都美術館
住所:東京都台東区上野公園8-36
開館時間:9:30〜17:30(金〜20:00) ※入場は閉館の30分前まで
料金:一般 2300円 / 大学生 1300円 / 65歳以上 1600円 / 高校生以下無料

THE MONSTERS 10周年記念展 東京「MONSTERS BY MONSTERS: NOW AND THEN」(麻布台ヒルズギャラリー

 東京・虎ノ門の麻布台ヒルズギャラリーで、カシン・ロンによる「THE MONSTERS」シリーズの10周年記念展「MONSTERS BY MONSTERS: NOW AND THEN」が開催されている。会期は7⽉5⽇まで。レポートはこちら。本展は上海を皮切りに、台北、香港、パリを巡回してきたグローバルツアーの東京展となる。

展示風景より

 カシン・ロンは1972年香港生まれ。幼少期にオランダへ移住した経験から、ヨーロッパ各地に伝わる妖精や民話に関心を抱き、その想像力をもとに「THE MONSTERS」シリーズを創出した。なかでも「LABUBU(ラブブ)」は、愛らしさと少しの不穏さをあわせ持つキャラクターとして世界的人気を獲得。シリーズの原点には、『The Story of Puca』『Pato and the Girl』『Miró’s Requiem』からなる絵本三部作『THE MONSTERS TRILOGY』がある。

 会場では、絵本の世界へ入り込むような没入型展示を展開。なかでも初公開となる「The Story of Puca」エリアでは、クリエイティブスタジオ・toitoによるアニメーションを、5面プロジェクションと立体音響によって上映。限定数百部のみ刊行された幻の絵本世界を、空間体験として再構築する。

会期:2026年6⽉11⽇〜7⽉5⽇
会場:⿇布台ヒルズギャラリー
住所:東京都港区⻁ノ⾨5-8-1
開館時間:10:00〜19:00 ※入場は18:00まで
料金:2500円(特典つき)

上田暁子 石塚元太良 森本啓太「Worlding − No Oars, No Shore,」(ポーラ ミュージアム アネックス

 ポーラ ミュージアム アネックスで、上田暁子、石塚元太良、森本啓太による展覧会「Worlding − No Oars, No Shore,」が開催されている。会期は7月5日まで。

メインビジュアル

 上田暁子は1983年京都府生まれ。2006年武蔵野美術大学造形学部油絵学科を卒業し、20年ブリュッセル王立芸術大学院絵画科修士課程、23年同大学院の石版画科を修了した。上田は絵画をたんなる再現や表象の手段とはとらえず、何かの事象が変質・変容していく過程やその瞬間、あるいはその成り行きの表現手段として追求する。初期作品でみられたような、静止した画面の中に時間や動きや出来事の連続性を定着させる試みは、近年予測不能な変化や即興性を取り入れた既視感と未視感との往還へと発展している。

 石塚元太良は1977年東京生まれ。2004年に日本写真協会賞新人賞を受賞し、その後11年文化庁在外芸術家派遣員に選ばれる。初期の作品では、ドキュメンタリーとアートを横断するような手法を用い、その集大成ともいえる写真集『PIPELINE ICELAND / ALASKA』(講談社刊)で14年度東川写真新人作家賞を受賞。また、16年にSteidlBookAwardJapanでグランプリを受賞し、写真集『GOLD RUSHALASKA』がドイツのSteidl社から出版される。19年には、ポーラ美術館で開催された「シンコペーション:世紀の巨匠たちと現代アート」展で、セザンヌやマグリットなどの近代絵画と比較するように配置されたインスタレーションで話題を呼んだ。

 森本啓太は1990年大阪生まれ。2006年にカナダへ移住し、12年オンタリオ州立芸術大学(現・OCAD大学)を卒業した。カナダで活動したのち、21年日本に帰国し、現在は東京を拠点としている。バロック絵画や20世紀初頭のアメリカン・リアリズム、そして古典的な風俗画の技法やテーマに強い関心をもち学んできた森本は、これらの伝統を参照し、ありきたりな現代の都市生活のワンシーンを特別な物語へと変貌させる。

 本展は、「世界はどのように立ち現れるのか」を出発点に、上田、石塚、森本がそれぞれ異なる手法で向き合った展覧会である。上田は色彩や形態の変化を通して、像が現れかけては崩れていく過程や、出来事が生まれる瞬間を描き出し、石塚は写真表現を基点に、光や素材の扱いを拡張しながら、時間や空間が重なり合う感覚を提示する。森本は古典絵画を参照しつつ、都市の日常的な風景を描き、「光」を手掛かりに現代の現実と歴史的な奥行きを重ね合わせ、見ることや認識のあり方を問いかける。

会期:2026年6月12日~7月5日
会場:ポーラ ミュージアム アネックス
住所:東京都中央区銀座1-7-7 ポーラ銀座ビル3階
開館時間:11:00~19:00 ※入館は閉館の30分前まで
料金:無料

「五味太郎 絵本クロニクル展」(佐倉市立美術館

 佐倉市立美術館で「五味太郎 絵本クロニクル展」が開催されている。会期は7月5日まで。

『みんなうんち』福音館書店 1977 ©GOMI TARO

 五味太郎は1945年東京都生まれ。工業デザインの世界から、絵本を中心とした創作活動に入り、400冊近い著作(共著を含む)を発表している。作品は海外30ヶ国以上で翻訳出版され、「五味太郎・絵本ワンダーランド」(2002-07)、「五味太郎作品展[絵本の時間]」シリーズ(2007-23)、「GOMI TARO ANNEX」展(2005)、「五味太郎プロジェクト 海外出版の愉しみ」展(2015)などを開催してきた。

 1973年に『みち』で絵本作家としてデビューした五味は、2025年に『ぼくのふね』で「日本絵本賞大賞」を受賞した。本展では、代表作『みんなうんち』をはじめとする絵本原画とタブローに加え、五味が手がけた約400冊の絵本を海外版とともに年代順に展示している。

 展示室では、日本語版の絵本の多くを手に取ることができるほか、五味の絵本をもとに制作したアニメーションも上映。『みんなうんち』(1977)、『そら はだかんぼ!』(1979)、『むかしのこども』(1998)、『ぞうはどこへもいかない』(2013)、『いそいでおでかけ』(2017)、『りょこうにいこう!』(2024)などの原画を通して、50年以上にわたる絵本作家としての歩みを紹介する。

会期:2026年4月11日~7月5日
会場:佐倉市立美術館
住所:千葉県佐倉市新町210
開館時間:10:00~18:00 ※入館は閉館の30分前まで
観覧料:一般 1000円 / 大学生 800円円 / 高校生以下、障害者手帳をお持ちの方とその介助者1名 無料

「世界 ⇆ わたし 庄司朝美/髙木優希」(福島県立美術館

 福島県立美術館で「福島アートアニュアル2026 世界 ⇆ わたし 庄司朝美/髙木優希」が開催されている。会期は7月5日まで。

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 福島県生まれ・ゆかりの作家を紹介する「福島アートアニュアル」の第5回目となる本展では、1988年いわき市生まれの庄司朝美と、1994年福島市生まれの髙木優希を紹介する。

 庄司は、絵具を置いてはふき取るという行為をかさね、身体の動きや絵具の流れにより偶然生まれた形をもとにして描いている。髙木は、ある特定の個人の私室の写真からマケットをつくり、光を設定して撮影したマケットの写真をもとに絵画を制作してきた。本展では、現実とも虚構ともつかない絵画の世界をつくり上げるふたりの表現から、「描くこと」や「見ること」に改めて目を向けていく。

会期:2026年6月2日~7月5日
会場:福島県立美術館
住所:福島県福島市森合字西養山1
開館時間:09:30~17:00 ※入館は閉館30分前まで
観覧料:一般・大学生 400円 / 高校生 200円 / 小学・中学生 1000円

「生誕140周年 藤田嗣治展」(軽井沢安東美術館

 軽井沢安東美術館で「生誕140周年 藤田嗣治展」が開催されている。会期は7月5日まで。レポートはこちら

展示風景(中央:藤田嗣治 猫の教室 1949 油彩、キャンバス 軽井沢安東美術館蔵)

 藤田嗣治は、猫、「乳白色の下地」の裸婦、少女、宗教画、風景画、戦争画、手仕事など、多様な主題に取り組んだ画家だ。

 今年は、藤田嗣治の生誕140周年にあたる。藤田の作品のみを所蔵・展示する軽井沢安東美術館では、これを記念して本展覧会を開催している。2022年の開館以降も蒐集を続け、資料を含め330点を所蔵するコレクションのなかから、過去最多となる200点を紹介。藤田の初期から晩年に至るまでの作品を通してその軌跡をたどる構成となっており、初公開作品を含む多彩なコレクションを展示している。

会期:2026年1月9日~7月5日
会場:軽井沢安東美術館
住所:長野県北佐久郡軽井沢町軽井沢東43-10
開館時間:10:00~17:00 ※入館は閉館30分前まで
観覧料:大人 2300円 / 小人(高校生以下)1100円 / 未就学児 無料

企画展「若冲にトリハダ! 野菜もウリ!」(福田美術館

 福田美術館で、企画展「若冲にトリハダ!野菜もウリ!」が開催されている。会期は7月5日まで。レポートはこちら

伊藤若冲《果蔬図巻(かそずかん)》(1790以前)の展示風景

 2019年10月に開館した福田美術館は、江戸時代から現代にかけての美術品を幅広く網羅するコレクションを有している。本展では、2023年に存在が確認され、約1年間の修理を終えた伊藤若冲の《果蔬図巻(かそずかん)》(1790以前)と、その1年後に制作された重要文化財《菜蟲譜》(1790)の2作品を初めて並べて公開する。

 さらに、若冲最初期の作品である《蕪に双鶏図》(1740〜50頃)や、2025年に新たに収蔵された《老松白鶴図》(18世紀)など、新出の若冲作品9点を含む初期から晩年までの若冲作品約40点を紹介。また、与謝蕪村、円山応挙、長沢芦雪など若冲と同時代に京都で活躍した画家の優品もあわせて紹介するほか、新たに福田コレクションに加わった伊藤若冲《花卉雄鶏図》(18世紀)《三十六歌仙図屏風》(1795以前 )、円山応挙《群犬図》、長沢芦雪《牡丹孔雀図》(18世紀)の4点も公開する。

会期:2026年4月25日~7月5日[前期]4月25日~6月1日/[後期]6月3日~7月5日
会場:福田美術館
住所:京都市右京区嵯峨天龍寺芒ノ馬場町3-16
開館時間:10:00~17:00 ※入館は閉館30分前まで
料金:一般 1500円 / 高校生 900円 / 小学・中学生 500円 / 幼児 無料

企画展「金曜ロードショーとジブリ展」愛媛展(愛媛県美術館

 愛媛県美術館で、企画展「金曜ロードショーとジブリ展」が開催されている。会期は7月5日まで。

 本展では、1985年を起点に「金曜ロードショー」の歴史をたどりながら、時代の流れとともに見えてくるスタジオジブリ作品の魅力を紹介する。

 85年に始まった「金曜ロードショー」は、『風の谷のナウシカ』(1984)の放映以来、200回以上にわたってスタジオジブリ作品を放映してきた。今回の展示では、「金曜ロードショー」の歩みを通して、放送された時代ごとの記憶と記録からスタジオジブリ作品を展観。また、映画の世界に飛び込めるような展示空間や、「風の谷のナウシカ 王蟲(オーム)の世界」を展示している。

会期:2026年4月17日~7月5日
住所:愛媛県松山市堀之内
開館時間:09:40~18:00 ※入場は閉館1時間前まで
観覧料一般 1900円 / 中学・高校生 1600円 / 小学生 1100円 / 未就学児(保護者の同伴が必要)、障がい者手帳・療育手帳等をお持ちの方と介助者1名 無料

「生誕100年 森英恵 ヴァイタル・タイプ」(国立新美術館

 国立新美術館で「生誕100年 森英恵 ヴァイタル・タイプ」が開催されている。会期は7月6日まで。レポートはこちら

ハナヱ・モリ ファイナルオートクチュールコレクション 2004年7月7日 提供:森英恵事務所

 1950年代にキャリアを開始した森英恵は、映画衣装の制作を通じて頭角を現し、61年には雑誌『装苑』にて「ヴァイタル・タイプ」という人物像を提唱。65年のニューヨークコレクションへのデビュー以降、世界を舞台に活動を続けた。

 本展は、オートクチュールのドレス、資料、初公開となる作品を含む約400点を通じて、森のものづくりの全貌を紹介。デザイナーとしての表現や創造の根幹を紹介する。

会期:2026年4月15日~7月6日
会場:国立新美術館 企画展示室1E
住所:東京都港区六本木7-22-2
開館時間:10:00~18:00(金土〜20:00)※入場は閉館の30分前まで
料金:一般 2200円 / 大学生 1800円 / 高校生 1400円 / 中学生以下・障害者手帳をご持参の方(付添の方1名を含む)は入場無料

池上彰と考える現代アート Vol.1 Empowered by Taguchi Art Collection 「われわれが何をしたのか」(角川武蔵野ミュージアム

 角川武蔵野ミュージアムで、池上彰と考える現代アート Vol.1 Empowered by Taguchi Art Collection 「われわれが何をしたのか」が開催されている。会期は7月6日まで。

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 同館は、2023年にタグチアートコレクションと協力し、グランドギャラリーで<a href="https://bijutsutecho.com/exhibitions/11302">「タグコレ 現代アートはわからんね」</a>を開催した。同展では、美術史の文脈とコレクションの文脈をテキストによって提示し、作品とテキストを等価に扱う試みを行うことで、現代美術への新たなアプローチを提示した。

 タグチアートコレクションの協力のもと開催されている本展では、会場を館内のエディットアンドアートギャラリーに移し、社会性の強い作品に焦点を当てる。「アートの文脈」と「社会の文脈」というふたつの視点から作品を読み解くことを通じて、たんなる色彩や形態の表現にとどまらない、現代美術が持つ作品の力を紹介する展覧会シリーズとなっている。

 第1弾として展示されているのは、南アフリカ出身のアーティスト、ハルーン・グン=サリーによる《センゼニナ/Senzenina(われわれが何をしたのか)》(2018)。ハルーン・グン=サリーは、彫刻やインスタレーションなどの表現を通じて、社会に内在する問題や不正義に切り込む作品を発表してきた。本作品は、2012年8月に南アフリカ北西部マリカナにある英資本ロンミン社のプラチナ鉱山で実際に起こった事件をもとに制作された作品だ。

 複数の視点から作品を鑑賞する展覧会の体験を通して、作品の解釈や世界の捉え方について考察する機会を提示する。

会期:2026年3月28日~7月6日
会場:角川武蔵野ミュージアム
住所:埼玉県所沢市東所沢和田3-31-3
開館時間1:0:00~18:00 ※入館は閉館30分前まで
観覧料:一般(大学生以上)1400円 / 中学・高校生 1200円 / 小学生 1000円 / 未就学児 無料

「広重 東海道五十三次 版画×PHOTO」(MOA美術館

 MOA美術館で「広重 東海道五十三次 版画×PHOTO」が開催されている。会期は7月7日まで。

歌川広重《保永堂版 東海道五十三次之内 箱根 湖水図》(1833~34)

 歌川広重(1797〜1858)は、江戸定火消同心の子として生まれ、歌川豊広に入門して広重の号を得た。1831年頃に「東都名所」シリーズで風景画に開眼し、保永堂版「東海道五十三次」の成功により浮世絵風景版画の第一人者となった。抒情性に富んだ画風で知られ、「名所江戸百景」など数多くの風景版画を世に出した。

 本展では、広重の代表作である保永堂版「東海道五十三次」全55作品を一挙公開。本シリーズは江戸日本橋から京都に至る旅情を、四季の移ろいや天候、時刻の変化とともに描き出したものだ。展示では、宿駅の現在の風景を撮影した写真パネルとの比較展示を行い、現代の東海道の旅を紹介。また、高精細デジタル画像で撮影した作品をオリジナル・フィルム・プロジェクションとして大画面に投影する。

会期:2026年5月15日~7月7日
会場:MOA美術館
住所:静岡県熱海市桃山町26-2
開館時間:09:30~16:30 ※入館は閉館の30分前まで
観覧料:一般 2000円 / 高大生 1400円 / 中学生以下 無料

今週開幕

やなせたかし展 人生はよろこばせごっこ(世田谷文学館

 世田谷文学館で「やなせたかし展 人生はよろこばせごっこ」が開幕した。会期は9月6日まで。

展示風景より

 やなせたかしは1919年高知県生まれ。東京高等工芸学校卒業後、入社したものの徴兵のため召集。復員後は、高知新聞社で雑誌編集を担当した。47年に上京し、三越百貨店宣伝部を経て53年に漫画家として独立。舞台美術、作詞、ラジオやテレビの構成も手がける。67年に『ボオ氏』で週刊朝日マンガ賞を受賞。73年創刊の雑誌『詩とメルヘン』の編集長を務めた。同年『あんぱんまん』を発表し、88年にはテレビアニメ『それいけ!アンパンマン』の放送が開始された。作詞に「手のひらを太陽に」、絵本に『やさしいライオン』などがある。

 本展は、2026年にやなせたかし記念館アンパンマンミュージアムが30周年を迎えることを記念して開催される。原画約200点を中心に、「やなせたかし大解剖」「漫画」「詩」「絵本/やなせメルヘン」「アンパンマン」のテーマで作品を紹介。戦争体験、家族との別れ、様々な人との出会いを経て、「なんのために生まれて、なにをして生きるのか」を自身に問い続けたやなせが辿り着いたヒーロー像を提示する。

会期:2026年6月30日〜9月6日
会場:世田谷文学館 2階展示室 
住所:東京都世田谷区南烏山1-10-10 
開館時間:10:00〜18:00 ※入場は閉館の30分前まで
休館日:月(祝日の場合は翌平日) 
料金:一般 1500円 / 65歳以上・大高生 900円 / 中学生以下 無料 / 障害者手帳をお持ちの方750円(ただし、大学生以下は無料)

トニー・アウスラー:技術と霊知のはざま~魔術、メディア、アート~(TOKYO NODE)

 東京・虎ノ門ヒルズにあるTOKYO NODEで、「トニー・アウスラー:技術と霊知のはざま~魔術、メディア、アート~」が開幕した。会期は9月27日まで。

《カリカチュア》(2003-04) 「Tony Oursler: Black Box」展(高雄市立美術館、台湾、2021)の展示風景より Courtesy of Tony Oursler Studio

 トニー・アウスラーは1957年ニューヨーク生まれ。映像、彫刻、音、光、言葉を組み合わせた没入型インスタレーションで知られるアーティストだ。映像インスタレーションやプロジェクションマッピングといった立体物に映像を投影する表現スタイルを切り開いたパイオニアであり、イメージと物語、テクノロジーと人間心理、ビリーフシステム(信念) 、そして社会の複雑な関係を問い続けてきた。

 本展では、現代美術家のジム・ショーも参加した初期作品《プライベート》(1994〜97)や 、《ダスト》(2006)、《ロック2、4、6 》(2010)、現在ニューヨーク近代美術館(MoMA)に収蔵されている《予測不可能なもの》(2015〜16) 、《スペキュラー》(2021)といった主要作品のほかに、初公開の新作など、初期から現在までの代表作が網羅的に紹介される。なお出展作品の半数以上が、日本初公開となる。

 また、世界的な音楽家であるデヴィッド・ボウイおよび作曲家グレン・ブランカと2000年から共同で制作を開始していた《空(くう)》(2000)を、本展で初めて作品化し、世界初公開する。

 加えて、TOKYO NODEの天井高15メートルに及ぶドーム型のギャラリースペースを活かしたサイトスペシフィックな大型の新作《キメラ》(2026)も展覧予定。アウスラーがこれまでに収集・研究してきた都市伝説とされる生物や未確認生物の資料などをベースとした、日本と世界のさまざまな「キメラ」が⻁ノ⾨の上空に出現する予定だ。

会期:2026年7月3日~9月27日
会場:TOKYO NODE GALLERY A/B/C
住所:東京都港区⻁ノ⾨2-6-2 ⻁ノ⾨ヒルズ ステーションタワー45F
開館時間:10:00〜19:00(金〜20:00) ※入場は閉館の30分前まで
休館日:不定休
料金:一般 2400円 / 大学生・専門学校生 1400円 / 中学生・高校生 800円

In-dividual Theater:BUG Screen Week 2026(BUG

 BUGで「In-dividual Theater:BUG Screen Week 2026」が開幕した。会期は7月12日まで。

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 本プログラムでは、周縁で透明化された声や存在に目を向け、それぞれのかたちで制度からすり抜け、抗おうとする17名のアーティストの映像作品を紹介する。プログラムは3つの特徴で構成される。

 1つ目は、販売やコレクションのハードルが高く、経済的な循環が生まれにくい映像作品を制作するアーティストのサポートだ。既存の映像作品を上映し、アーティストにその対価を支払うことで活動を支援する。

 2つ目は、映像作品と向き合える環境の構築。上映タイムテーブルの事前公開や長時間滞在を前提とした空間設計を行うことで、最初から最後まで作品と向き合える環境を提示する。

 そして3つ目は、既存作を見つめ直す機会だ。過去に生み出された作品を見つめ直して紹介し、そこに対価を支払う機会を提示する。

 参加アーティストは、荒木悠、Cici Wu with Yuan Yuan、池添俊、石原海、小林颯、小原真史、キュンチョメ、マヤ・エリン・マスダ、百瀬文、永田康祐、ニナ・フィッシャー&マロアン・エル・ザニ、西野正将、オル太、志賀耕太、白川真吏、ソー・ソウエン、渡邊拓也。

会期:2026年7月3日~12日
会場:BUG
住所:東京都千代田区丸の内1-9-2 グラントウキョウサウスタワー1F
開館時間:11:00~19:00 
休館日:火 
料金:無料

ひかりの世界 ―変わる世界、変わらないひかり―(ゴールドウイン東京本社)

 ゴールドウイン東京本社の1階イベントスペースで、GOMAの個展「ひかりの世界 ―変わる世界、変わらないひかり―」が開幕した。会期は7月28日まで。

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 GOMAは画家、ディジュリドゥ奏者。1998年にオーストラリアのバルンガ・ディジュリドゥ・コンペティションで準優勝し、活動を開始した。2009年の交通事故により高次脳機能障害を発症し一時活動を休止したが、その後画家へ転向。緻密な点描画を描くことで、意識を消失した際に繰り返し見た「ひかりの世界」を視覚化する試みを続ける。

 本展では、GOMAが描き続けてきた点描画作品を中心に、テキスタイル作品、ディジュリドゥの音響、映像作品による特設シアターで構成された展示を紹介する。変化や喪失を経験しても失われることのない、人の内側に灯り続ける希望や可能性へのまなざしを込めた「変わらないひかり」の価値を提示する。

会期:2026年7月3日〜28日
会場:ゴールドウイン東京本社
住所:東京都港区北青山3-5-6
開館時間:11:00〜19:00(7月18日はイベントのため16:00閉館)
休館日:会期中無休
料金:無料

第一回企画展 教育― 原点から、発見へ。発見から、共振へ。―(RESONANCE GALLERY)

 RESONANCE GALLERYで「『教育』— 原点から、発見へ。発見から、共振へ。—」が開幕した。会期は8月5日まで。

「RESONANCE GALLERY|レゾナンス ギャラリー」ロゴ

 同ギャラリーは、1872年創業の和菓子店である銀座凮月堂が、自社ビルの地下2階に新設したスペースであり、本展はその第1回目となる企画展だ。銀座凮月堂は本プロジェクトの開始にあたり、現在は和菓子の販売を一時的に休止している。「日本文化への再接続」をテーマに掲げ、作品のみならず、制作背景や作家の思想を伝えるための解説ツールや展示構成を工夫する。

 会場は、作品を「学ぶ・評価する」場ではなく、自身の感性と向き合う場として構成される。「許可カード」や、他者の多様な感想の「中央値」と自身を比較する仕掛けなどを導入。また、言葉を交わさずともスタッフへ意思を可視化して伝えられるバッジの仕組みも導入される。

 また本展覧会では「無題で見ても多様な感想が生まれるか」という同ギャラリーの考えに共鳴した4名の作家による作品を展示。3DCGと3Dプリンタを用いて現実の立体構造や機能を抽象化した彫刻作品を手がけるオオタキヨオ、重ねられたマチエールによって時間の層を想起させる表現を行う画家のnaoko shimagami、磁土の筒状パーツを構造的に組み上げた後にハンマーで部分的に破壊する手法を用いるセラミックアーティストの竹内紘三、蜜蜂と人類の関係性をテーマに、生と環境の再接続、再生の可能性を問う現代美術家の團上祐志の作品を取り上げる。

会期:2026年7月3日〜8月5日
会場:RESONANCE GALLERY|レゾナンス ギャラリー
住所:東京都中央区銀座 6-6-1 銀座凮月堂ビル B2F
電話番号:03-3571-5007
開館時間:11:00~19:00 
休館日:木 
料金:無料

こどもとおとなの自由研究 もようわくわく²(国立工芸館

 国立工芸館で「こどもとおとなの自由研究 もようわくわく²」が開幕した。会期は9月23日まで。

展示風景より

 もように日本的な美意識が見られるようになったのは、唐風から和様に転じた平安期以降といわれている。本展は、近・現代工芸の名品約140点を通して、丸や菱形に動植物の姿かたちをおさめたものや、雨や雪、ゆらめきのぼる蒸気をもようとして眺めたもの、花鳥風月、身の回りの品々、化学変化の跡など、様々なもようを取り上げる。

 また、もようづくりの天才とされる芹沢銈介の特集展示も同時開催。小さな下絵から代表作の屏風まで、約20点を展示する。

会期:2026年7月3日~9月23日 ※会期中一部展示替え
会場:国立工芸館
住所:石川県金沢市出羽町3-2 
開館時間:9:30~17:30(7月17日~8月15日の金土は~20:00) ※入館時間は閉館の30分前まで
休館日:月(ただし7月20日、9月21日は開館)、7月21日 
観覧料:一般 1000円 / 大学生 700円 / 高校生以下および18歳未満、障害者手帳をお持ちの方と付添者(1名)は無料 ※要証明書提示

ルーシー・リー展 ―東西をつなぐ優美のうつわ―(東京都庭園美術館

 20世紀を代表するイギリスの陶芸家ルーシー・リー(1902〜1995)。その、国内では約10年ぶりとなる回顧展「ルーシー・リー展 ―東西をつなぐ優美のうつわ―」展が、東京都庭園美術館で開催される。会期は7月4日〜9月13日。

 ルーシー・リーはオーストリア・ウィーン生まれ。ウィーン工芸美術学校で轆轤(ろくろ)を用いた制作に魅了され、陶芸の道へと進んだ。作家としての地位を確立しながらも、1938年に戦争で亡命を余儀なくされると、作陶の場をイギリスのロンドンへ移す。ろくろから生み出される優雅なフォルム、象嵌や掻き落とし技法による独創的な文様、そして釉薬によって生み出される豊かな色彩など、その作品の繊細さと凛とした佇まいは、いまなお多くの人々を魅了し続けている。

 本展では、国立工芸館に寄託された井内コレクションをはじめとして、国内のルーシー・リーの作品が一堂に集結。

 また、リーがウィーンで出会ったヨーゼフ・ホフマンや、イギリスで知り合ったバーナード・リーチ、ハンス・コパー、濱田庄司など、交流のあった作家たちの作品も紹介。日本を中心とした東洋のやきものとの関係性も見直す。

会期:2026年7月4日〜9月13日
会場:東京都庭園美術館(本館+新館)
住所:東京都港区白金台5–21–9
開館時間:10:00~18:00(8月7日、14日、21日、28日〜21:00) ※入館は閉館の30分前まで
休館日:月(7月20日は開館)、7月21日 
料金:一般 1400円 / 大学生 1120円 / 高校生・65歳以上 700円 / 中学生以下無料 ※日時指定予約制

まなざしの奇跡 日本女性写真家の冒険(ヒカリエホール)

 2024年夏、南フランス・アルルで開催された「アルル国際写真フェスティバル」で話題となった国際巡回展「まなざしの奇跡 日本女性写真家の冒険」がヒカリエホール(渋谷ヒカリエ9階)で開催される。会期は7月4日~8月26日。

野口里佳 不思議な力 #9 2014 © Noguchi Rika Courtesy of Taka Ishii Gallery

 本展は、女性写真家に光を当てることで、新たな角度からより広範に日本の写真表現をたどり、その歴史を見直す機会として企画されたもの。1950年代から今日まで、日本の写真史のみならず美術史においても重要な役割を果たしてきた約30名の女性写真家が一堂に会する。

 キュレーターは竹内万里子、ポリーヌ・ヴェルマーレ、レスリー・A・マーティン。出品作家は、石内都、石川真生、今井壽惠、岩根愛、潮田登久子、岡上淑子、岡部桃、オノデラユキ、片山真理、川内倫子、小松浩子、今道子、澤田知子、志賀理江子、杉浦邦恵、多和田有希、常盤とよ子、長島有里枝、楢橋朝子、西村多美子、蜷川実花、野口里佳、野村佐紀子、原美樹子、ヒロミックス、藤岡亜弥、やなぎみわ、山沢栄子、米田知子、渡辺眸、島隆(特別出品)。

 狭義の「写真」という枠組みを超え、インスタレーション、コラージュ、映像などを含む多様なアプローチによる創造性豊かな作品を紹介する今回の展示では、約200点が展示。日本の写真界において表現メディアとして世界でも稀に見る独自の発展を遂げた印刷文化にも焦点を当て、多数の資料とともに紹介される。

会期:2026年7月4日~8月26日 ※休館日未定
会場:ヒカリエホール(渋谷ヒカリエ9F)

生誕130年 前田寛治 ポエジイとレアリスム(東京ステーションギャラリー

 東京ステーションギャラリーで、日本近代洋画を代表する画家・前田寛治(1896〜1930)の回顧展「生誕130年 前田寛治 ポエジイとレアリスム 一九三〇年協会設立100年」が開催される。会期は7月4日~8月30日。

前田寛治《少女と子供》(1927)鳥取県立美術館

 前田はフランス留学を通してキュビスムやセザンヌの理論を学びながら、写実と詩情を併せ持つ独自の画風を確立した。その絵画には、対象を冷静に見つめる理知と、静かな感情の余韻が同居している。

 生誕130年の節目にあたる本展は、前田の画業を総合的に見渡す機会となる。代表作を通じて、前田が追い求めた「ポエジイ」と「レアリスム」の関係に迫る。短い生涯ながら、日本洋画史に刻まれた前田の存在を再評価する展覧会だ。

 なお、会期中は一部作品の展示替えが行われる。

会期:2026年7月4日~8月30日
会場:東京ステーションギャラリー
住所:東京都千代田区丸の内1-9-1
開館時間:10:00~18:00(金~20:00) ※入館は閉館30分前まで
休館日:月(7月20日・8月10日・8月24日は開館)、7月21日
観覧料:一般 1600円 / 高校・大学生 1100円 / 中学生以下 無料

ぬけみち展 かわす・つくる・ともにいる―生きるための回路(アーツ前橋

 アーツ前橋で「ぬけみち展 かわす・つくる・ともにいる―生きるための回路」が開催される。会期は7月4日〜8月30日。

dot architects + contact Gonzo「鉄道芸術祭 vol.10《GDP(Gonzo dot party)》」(2020)写真:吉見崚

 「未来は良くなる」と希望を見出すことが難しく感じるいま、日常には言葉にならない不安や閉塞感が静かに広がっている。そのような時代において、社会や都市、他者との関係に向き合い、現実をわずかにずらす試みを行う作家たちの実践を紹介する。

 本展のタイトルにある「ぬけみち」とは、現実からのたんなる逃避ではない。身の回りの環境を見つめ直したり、誰かと新しい関係を結んだりすることから生まれる、「この場所・この社会」をわずかにひらくための実践をインスピレーション源として提示する。

 今回の展示には、建築、ファッション、デザイン、演劇、ストリートカルチャー、現代美術といった多様な領域で活動する若手作家7組が参加。出展作家は、阿部航太、高野ユリカ、SIDE CORE、坂本舞ニルセン、鈴木哲生、ドットアーキテクツ、三野新&山本卓卓。

 効率や合理性が優先されがちな社会のなかで、身近な環境をいつもとは異なる視点で見つめ直すことや、普段の生活では生まれにくい関係性をひらく実践を行う本展。ジャンルを横断する作家たちのアプローチを通して、生活の中にある「ぬけみち」の可能性を感じられる機会となる。

会期:7月4日〜8月30日
会場:アーツ前橋
住所:群馬県前橋市千代田町5-1-16
電話番号:027-230-1144 
開館時間:10:00~18:00 ※入館は閉館の30分前まで 
休館日:水 
料金:一般 800円 / 学生・65歳以上 600円 / 高校生以下 無料 ※7月20日、8月8日は無料

中西夏之 穏やかに見つめるためにいつまでも佇む、装置(山梨県立美術館

 山梨県立美術館で「中西夏之 緩やかにみつめるためにいつまでも佇む、装置」が開催される。会期は7月4日~8月23日。

中西夏之《中央の速い白 XIII》(1990)千葉市美術館 ©NATSUYUKI NAKANISHI

 中西夏之(1935~2016)は東京都生まれ。戦後日本を代表する現代美術家。高松次郎および赤瀬川原平とともに前衛美術家集団「ハイレッド・センター」で活動し、土方巽らとの舞踏での協働を経て、1960年代後半からは独自の思考にもとづいた数々の絵画連作を制作。90年から2007年まで山梨県大月市にアトリエを構えた。

 本展は、中西の没後初となる大規模な個展だ。中西が絵画の在りようについて残した言葉「緩やかにみつめるためにいつまでも佇む、装置」を道しるべに作品を紹介。また、山梨とゆかりのある中西を、山梨県立美術館で初めて大きく取り上げる機会となる。

会期:2026年7月4日~8月23日
会場:山梨県立美術館
住所:山梨県甲府市貢川1-4-27
開館時間:09:00~17:00 ※入場は閉館30分前まで
休館日:月(7月20日・8月10日は開館)、7月21日
観覧料:一般 1000円 / 大学生 500円 / 高校生以下、障害者手帳をご提示の方とその介護者 無料

マリメッコ展 模様のちから(京都文化博物館

 京都・三条高倉の京都文化博物館で「マリメッコ展 模様のちから Marimekko: Art of Printmaking -Beauty, Dream, Love」が開催される。会期は7月4日~9月6日。

展覧会キービジュアル 右上:Klaava, Annika Rimala,1967/下:Viidakko, Pentti Rinta,1981/左上:Seppel, Antti Kekki,2022

 マリメッコはフィンランドのデザインハウスであり、世界に先駆けて誕生したライフスタイルブランドのひとつとして知られる。「喜びにあふれた人生」と「より良く生きるための哲学」を体現することをモットーに、1951年にアルミとヴィリヨ・ラティア夫妻によって設立された。鮮やかな色彩と大胆な模様が特徴のプリント・デザインは、世代や国境を超えて愛され、創業以来そのデザインは3500種類以上にのぼる。

 本展は、様々な年代の貴重なドレスやファブリック、制作過程のイメージなど、多彩な資料を通してマリメッコの創造の美学を紐解くものとなる。1960年代から近年のコレクションまで、厳選された約70点のドレスを一堂に展示。自然の風景から描かれたスケッチや切り絵、キービジュアルを飾った模様の原図の一部などといった貴重な資料を通じて、1枚の紙に描かれたドローイングがファブリックへと形を変えていく創作の舞台裏を公開する。

 また、本展にあわせて会場内にはアートユニット・plaplaxによるインスタレーションも展開される。ヘルシンキにある自社の「プリント・ファクトリー」をテーマに、映像とプロジェクションを用いて、ひとつの模様がプリントとして生まれるプロセスを表現するという。さらに、ミナ ペルホネンのデザイナー・皆川明も参加。皆川がデザインし、マリメッコのファクトリーで制作されたファブリックを用いた新作インスタレーションも展示される予定だ。

会期:2026年7月4日~9月6日
会場:京都文化博物館 4・3階展示室
住所:京都府京都市中京区三条高倉
休館日:月(ただし、7月20日は開館)、7月21日

ゴッホの跳ね橋と印象派の画家たち ヴァルラフ=リヒャルツ美術館所蔵(あべのハルカス美術館

 大阪・阿倍野区にあるあべのハルカス美術館で、「ゴッホの跳ね橋と印象派の画家たち ヴァルラフ=リヒャルツ美術館所蔵」展が開催される。会期は7月4日〜9月9日。

フィンセント・ファン・ゴッホ 跳ね橋 1888 ヴァルラフ=リヒャルツ美術館・コルブー財団蔵
Vincent van Gogh, The Drawbridge, 1888, Oil on canvas, Wallraf-Richartz-Museum & Fondation Corboud, Cologne, Photo: ©RBA, Cologne

 19世紀後半のフランスで、美術界を占拠していたアカデミズムに反旗を翻し、変化する社会や新しい生活様式に刺激を受けて、革新的な絵画表現を生んだ「印象派」。印象派は成立当初は厳しい批評や嘲笑の的となったが、柔らかな色彩や親しみやすい主題によって、現在では国内外の多くの人々に愛されている。

 本展では、印象派を代表するモネ、ルノワール、セザンヌ、ピサロをはじめ、彼らに影響を与えたミレー、コローらバルビゾン派の画家たち、さらには新印象主義のもっとも重要な画家のひとりであるシニャックなど、印象派をめぐる42名の画家たちの作品70点を展示。ドイツ有数の美術館、ヴァルラフ=リヒャルツ美術館・コルブー財団のコレクションからなる、印象派に紐づくフランス近代美術の名品の数々を紹介する。

特別展 初!全点一挙公開 久保惣の西洋絵画—モネ、ルノワール、ゴッホをはじめとして—(和泉市久保惣記念美術館)

 大阪・和泉市の和泉市久保惣記念美術館で特別展「初!全点一挙公開 久保惣の西洋絵画—モネ、ルノワール、ゴッホをはじめとして—」が開催される。会期は7月5日~10月4日。

クロード・モネ《睡蓮》(1907)

 和泉市の市制施行70周年を記念して開催される本展は、現在25点にのぼる同館の西洋美術コレクションを初めて全点同時に公開する企画。

 展示室には、クロード・モネ《睡蓮》(1907)やピエール=オーギュスト・ルノワールの《カーニュのメゾン・ド・ラ・ポスト》(1906)、エドガー・ドガ《踊り子》(1879頃)といった印象派の絵画が並ぶ。また、フィンセント・ファン・ゴッホ《紡ぎ車を繰る女》(1883-84頃)をはじめ、ジョルジュ・ルオーアメデオ・モディリアーニパブロ・ピカソアンリ・マティスらの油彩画やデッサン、版画、そしてオーギュスト・ロダンの彫刻などが展示される。

 本展ではコレクションの全点公開に加えて、ひろしま美術館の協力によりクロード・モネ《セーヌ河の朝》(1897)が特別に出品される。同館が所蔵する《睡蓮》(1907)とあわせて展示されることで、モネが手がけた異なる時期の水面と光の描写を比較しながら鑑賞することもできる。 

会期:2026年7月5日~10月4日
会場:和泉市久保惣記念美術館
住所:大阪府和泉市内田町3-6-12
電話番号:0725-54−-0001 
開館時間:10:00~17:00 ※入場は閉館の30分前まで 
休館日:月、7月21日、9月24日 (7月20日、9月21日は開館)
料金:一般 1000円 / 大学・高校生 600円 / 中学生以下無料