2025.3.12

Bunkamuraザ・ミュージアムが拡大移転へ。29年度に竣工予定

現在休館中の「Bunkamuraザ・ミュージアム」が、東急百貨店跡地にできる新施設 「Shibuya Upper West Project(渋谷アッパー・ウエスト・プロジェクト)」に拡大移転する。

外観イメージ Image by Mir, Copyright Snøhetta and NIKKEN SEKKEI LTD
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 東急百貨店本店の建て替えに伴い、現在休館している「Bunkamuraザ・ミュージアム」。同館が、東急百貨店跡地にできる新施設 「Shibuya Upper West Project(渋谷アッパー・ウエスト・プロジェクト)」(地上34階、地下4階)の7階に移転する。竣工は2029年度。

 このプロジェクトは、リテールやスモールラグジュアリーホテルとして日本初進出となるホテルブランド「The House Collective(ザ・ハウス・コレクティブ)」、都市型居住を実現する賃貸レジデンスを有するもので、ミュージアムの移転・開業をきっかけとして、Bunkamuraとのさらなる融合を推進し、新たな大型文化複合拠点を目指す。

 同館を含む施設全体のデザインアーキテクトを担当するのはノルウェーの建築・デザイン事務所「Snøhetta(スノヘッタ)」。展示面積は複数の展示室からなる約1000平米で、展示室の一部は最大約6メートルの天井高となるという。展示面積の拡大と最新の展示設備の導入により、幅広い分野の大型展覧会の開催が可能となる。

 Snøhettaはミュージアム部分のデザインについて、「私たちのビジョンは、都市と空、近代と幽玄、過去と未来、デジタルとフィジカル、商業と文化といった二元性が融合する空間を創造すること」としつつ、「この融合が、異なるそれぞれの特徴をより際立たせ、本プロジェクトと渋谷全体の文化的環境が高まることを期待しています」とのコメントを寄せている。

 ソフト面では、これまでBunkamuraザ・ミュージアムで開催してきた西洋近代美術、日本美術、写真、デザイン、ファッションなどの展覧会テーマを継承しつつ、現代アートなど「いま取り上げるべきアート」を新たな切り口でキュレーションし、心を揺さぶる体験価値を創出するという。

 東急は、「運営面だけでなく、デザイン面でも融合を図ることで、文化発信拠点として1989年の開館以来、お客さまと培ってきたBunkamuraブランドをさらに発展させ、クリエイティビティが求められる新たな時代を象徴する、渋谷のアイコンとなるミュージアムを目指します」としている。

 なお、都心部では2030年をめどにDIC川村記念美術館が六本木の国際文化会館に移転する予定となっている。